斜面地に建つ家です。敷地の上下に道路があり、上の道路からは2.５m下がり、下の道路からは2.５m上がった所が敷地になります。結果として、アクセスの良い上の道路レベルに玄関を設けそこを２階とする２階建ての家としました。斜面地であるため工事は大変ですが、その分眺望は素晴らしいのと、隣地が大きな林となっているため、その借景を活かすことも設計の大きな目的でした。
のんびり子育てのできる家をご希望でした。木と漆喰の自然素材でナチュラルな優しい空間、そして収納にこだわった家を目指しました。エアコンに頼らない自然の光と風を活かした暮らしの実現に向けて。
隣地の林の借景を取り込む大きなFIX窓、林を抜けてくる風を取り込むカウンター下の通風窓、眺望デッキに出るための大きなテラス戸、道路側の防犯性を持たせた光子付き開き窓、など、リビングだけでも様々な機能を持った窓をバランスよく配置しました。リビングの写真を見て確認して見てください。窓には目的や、機能が様々です。適材適所に用いることはコストを抑えることにもなりますので、皆様窓のデザインは大切です。
カウンターを浮かせてその下に通風窓を設けています。床は無垢の桧板にオイルステイン塗り、壁天井はオリジナルの洋風漆喰塗りです。
展望デッキは、リビングからもダイニングからも出ることが出来ます。この敷地の一番良い場所をこのテラスにし、それを取り囲むようにリビングとダイニングが配置されています。
ダイニングはリビングと対照的に天井高さを抑えました。また、正面の窓はダイニングに座った人から南側の眺望をよりワイドに見せるため、横長の窓にしました。
このオープンキッチンは開放的にしているが、リビングからは飾り棚越しになるので、キッチンからリビングは見えるがリビングからは見えにくい様にした。玄関から入ってすぐにこのキッチンがあるので、帰ってきた家族は必ずお母さんが確認できるよう、子育てに配慮されている。
この飾り棚の奥がキッチンになる。こちらからは見えにくいが、キッチンからはリビングが見えるようになっている。棚の左にあるのは家族の写真で作った時計です。
浴室からウッドデッキが見える。実は見えるのは上の道路の擁壁で、ここは駐車場の下になります。駐車場の床をグレーチングにすることでこのような明るいバスコートのような屋外空間を生み出しました。斜面地ならではの空間で、このように斜面地であることは活かす工夫が随所にあります。
上部駐車場のグレーチング床から光が差し込みなんとも言えない空間が生まれています。外部からはほとんど見えないので、バスコートとしても活躍しています。
１階の寝室前の廊下に壁の厚さを利用したニッチを設けました。こんなちょっとした演出がその家の個性にもなります。
