モダンに、シンプルに和を取り入た、「日本らしい、美しいすまい」
住宅設計への想い
住宅の設計、それは、一人の建築家が、一家の想いを受け止め、一つとして同じものはない形となり、そこで一家のくらしがはじまるということ。
それはそれは、身の引き締まる、頭の中から汗をかくようなこと。
それが、ある一家のすまいを設計するということだと思います。
そこには、もちろん、建築家の想いも含まれ、その想いは、建築の中に芸術的に反映されることになります。
住宅設計10のコンセプト
1.佇まいは家族そのもの
建物の佇まいは、そこで住まう人、その家族そのものと思ってデザインしています。既にある周辺環境を尊重しながら、その地域の風景の一部として参加させてもらう。控えめなくらいで丁度いい。そんな姿勢で創り上げたいと思っています。
2.心が切り替わるアプローチ
玄関までのアプローチを一歩でも長く歩いてほしい。そして、例え一本でも緑を植えたい。疲れて家に辿り着いた時、家の灯りをみると、ほっとするもの。緑や自分の家を見ながら歩く、その一歩一歩が、いろいろなものを払い落とし、素の自分に戻る時間になります。
3.包容力
住宅はその家族を優しく包み込むものでなければならない。
希望に満ち溢れ、前向きな時もあれば、失意の中、涙する時もあります。そんな時こそ、そっと寄り添う存在でありたい。
4.結界をつくる
アプローチから軒下のポーチへ踏み入れるところで、敢えて段をつける。板の間から和室へ入る手前の床を畳にする。来訪の挨拶をする時、襖を開ける時、ここでふっと一呼吸入れる合図になると思います。日本人のこころ、所作に呼応する、つくり手の気配りだと思います。
5.出会いは優しく
建物の中にはたくさんの出会いがあります。それは、異なるもの同士が当たる(出会う)ところ。そこで衝突するのではなく、どちらかがクッションとなって優しく出会う納まりを心がけています。障子を閉める時、最後静かにゆっくり閉めますよね。
6.手に触れる形
人が手に触れるところは特に留意してデザインしています。
階段の手すりの特に一段目。ふっと手にしたくなるような。
障子の引手。そっと触れたくなるような。
玄関の手すり。しっかり身を委ねたくなるような。
7.光
昼間、室内を満たす光は、強い直射光ではなく、軒、格子、障子、緑によって拡散された、柔らかな光が、住まいにはふさわしいと思います。また、夕暮れ時、室内を照らし外に漏れる灯りが、帰宅する家人を迎える姿を思い描きながら設計をしています。
8.リズムよく
住む人みんなが、リズムよく生活できることが大切だと思います。
その為には、家事動線がシンプルにうまくまとまっていることが重要です。台所、洗濯場、物干し場、それぞれが一歩でも少なく行き来できる配置を考えます。
機能性の中にも、家事の合間、ふっと緑が見えたり、風が抜けることも忘れないようにしています。
9.メンテナンス
建物はどうしてもメンテナンスフリーというわけにはいきません。
それでも、深い軒や庇、笠木が外壁や建具を守ります。それもまた先人の教えです。また、建物より先に支障が出る設備機器は、更新可能な仕組みを用意するようにしています。
10.日本らしさ
日本であること、日本人であることに誇りをもって、日本らしい美しい建築を創りたいと思っています。伝統的なもの、歴史的なものに習い、いかに新鮮に現代の生活に取り込み、融合させられるかを考えています。
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