平屋の暮らしを考えるときに大切なプランと検討要素、二階建てや三階建てのそれらとは異なるポジション。

やまぐち建築設計室

著者:やまぐち建築設計室(建築家・設計事務所/奈良県)
2023-10-17更新
平屋の暮らしを考えるときに大切なプランと検討要素、二階建てや三階建てのそれらとは異なるポジション。


家族にとって

本当に価値のある家とは、

長く愛着をもって

住むことができる

という条件を

備えているものだと

考えています。









家族構成や

ライフスタイルの変化、

また年齢を重ねていく中で、

長きにわたって

住むことができる家とは

どのようなものでしょうか。



そのひとつの選択肢として、

平屋住宅の

存在があると思います。









実用的でおしゃれな平屋

というのも

価値観の一つだと思います。



そんな平屋について

いくつかの角度から・・・・・。



階数が1階だけの

家の造りを「平屋」と呼びます。



最近幅広い世代に

人気もあるようですが

その理由はなんでしょう?。









色々とお話しを

させていただく機会もあるのですが

まずは上下階の

移動がないことが挙げられます。



賃貸マンションや

分譲マンションでの

暮らし方になれていると、

家の中で毎日階段を

上り下りするのは

意外と結構な

ストレスなったりします。



それから、

間取りを考える際に、

二階建ての場合は

階段の配置や

上下の関係を

考慮することになります。



ですが平屋であれば、

比較的家の平面的な形状も

自由度が増し、

コの字型やロの字型、

地形に合わせた

臨機応変な

間取りとするなど

耐震上の観点から見ても

自由な形状を

生み出しやすくなります。



また、全ての部屋の天井が

家の屋根になりますので、

トップライト(天窓)を

計画すれば

光を取り入れることが

できますし、

天井の高さも

屋根の形に合わせた

勾配天井にするなど、

開放的な空間を

実現する事も

二階建て等と比べると

自由度が高くなります。



そんな「平屋」という

建て方について、

今回は少し

掘り下げてみたいと思います。



平屋が人気の理由は

先にも紹介しましたが、

実際に平屋には

様々なメリットがあります。



皆さんも今までの

暮らし方を

振り返ってみては

どうでしょうか?。



意外に、

この点は譲れないという

メリットが

見つかるかもしれません。



生活の全てが

ワンフロアーで

収まっているという事。



2階や3階のない

1階だけの生活空間で

成り立っているのが平屋。



つまり、

上下階の移動がなく、

バリアフリーに

計画する事が出来ます。



二階建ての場合は

寝室が二階になりがち

又は上下逆転プランで

二階にリビングを計画しても

上下移動が発生します。



ホームエレベーターを

計画する事も

一つの手段ですが

間取り上の負荷も

どのように

考えるのかによって

その点は

考慮が必要です。



そして階段の事故は

案外多いものです。



階段のない平屋は、

小さな子供も

そうですが

すべての年代の

家族にとって

安心安全で

ストレスフリーな「つくり」と

言えます。



同じフロアにいることで、

上下階に分かれているより

存在を感じやすく、

様子を見に行くことも

すぐに出来ます。



また上下階の

動線が必要ないことから、

生活動線も

シンプルになり、

日々の家事や

作業動線も効率よく

過ごすことが出来ます。



内部空間を比較的豊かに、

そして外部空間を

身近に感じることが

出来るという事。



平屋であれば、

道路や隣地、

方位に関する

法律上の「高さ制限」に

引っかかることも少なく

上部を開放的に

計画することも可能です。



例えば、

2階を作る必要がないのですから、

天井を思い切り高く計画して

開放的な大空間を生み出したり、

屋根をフラットにすれば、

ルーフバルコニーとして

もう一つの家族で過ごす

居住空間を

手に入れる事も出来ます。



また、全ての部屋と

外部とのアクセスがしやすく、

庭を感じやすい「間取り」に

することが出来ます。



ウッドデッキなど

連動する場を計画すれば

外部空間と内部空間が

より近づくように

感じる事も出来ます。



そして家族の今と

未来に柔軟に

対応できるという事。



平屋は、

子供が成長して

家を出ていくことになっても、

同じフロアに

部屋があることから、

別の用途にしても

アクセスしやすく

使いやすい空間にすることが

出来ます。



それから、

自分たちが年を重ねて

体力に自信がなくなったとしても

家の中での上下の

移動がないことは、

ストレスのない暮らしに

つながりやすくなります。



建てるのであれば、

長く愛着がもてる、

過ごしやすい住まいにしたいもの。



そのためにも、

平屋の特徴をより深く

知ることも大切です。



平屋特有の「美しさ」を

引き出すことができますし、

流行に左右されない

存在感もキープできるます。



しかし、

単にシンプルさを

求めても

味気なくなってしまうかも

知れません。



そこで、

二階建てや三階建て以上に

外壁素材や色、

形状を工夫することで、

より印象深く、

素敵な雰囲気に

仕上げることもできます。



外壁について

もっとも人目につきやすい外壁は、

その家の

ファーストインプレッションに

つながります。



2階建てや3階建てでない分、

居住スペースを

横に取らざるを

得ない平屋は、

外壁がその家の印象を

大きく左右します。



そのため、

外壁の色や質感の選び方は、

二階建てや三階建てと比べると

ポイントになる部分です。



勿論、注文住宅であれば

様々な検討要素から

最適解を導き出すことが

出来ます。



単色では表現しきれない

イメージを、

複数の色や素材感で

実現することも

可能になります。



もうひとつ、

目立ちやすい

ものの中に「窓」があります。



平屋は、

外壁の面積が

2階建てや3階建てに

比べて少ない分、

窓が目に付きやすいものです。



外観のイメージを

どのように

演出するのかによって、

室内のカーテンや

ブラインドも

丁寧に選択することが

大切です。



また、

平屋建ては通りからの

目線がどうしても

気になりがちなので、

陽光を取り入れつつも

プライバシーを

しっかり確保するために、

カーテンやブラインドの

デザインにも

注意してみてください。



レースを上手に使ったり、

ブラインドで

遮光を調整することができます。



プライバシーを

上手に確保しながら、

明るさや開放感を

保ちたいのであれば、

中庭を設けるのも

ひとつの方法です。



家を「ロの字」や「コの字」にして

中庭をつくり、

そこに大きな窓を設ければ、

外部からの視線を遮りながら

明るさや風通しを

確保できます。



家の中から中庭に

直接アクセスできるようにすれば、

お子さんの安全な遊び場として、

趣味や運動をする場として、

風景をデザインした庭として

もしくは家族や友人との

ちょっとした

パーティーができる場として

使えます。



家だけでなく、

ライフスタイルに

オシャレな暮らしを

プラスすることも出来ます。



そして屋根もまた、

平屋に限った

話しではありませんが

印象や外観を

左右するものです。



多くの平屋で

採用されているのは、

勾配屋根、片流れ屋根もしくは

陸屋根(ろくやね)です。



勾配屋根は簡単いうと

三角形の屋根の事。



片流れ屋根とは、

屋根全体が

一方向に傾くように

デザインされた屋根のこと。



その角度により、

家を大きく

見せることもできますし、

工夫次第では

ロフトを設けて、

1.5階を設ける事も

計画しやすくなります。



そういった外部屋根の変化を

室内の空間へ

連動させることで

内部の用途によって

外観や屋根を逆に

変化させていくこともあります。



そのコントラストが

外観デザインの

肝になる事も多くあります。



トータルで見たときに

印象がちぐはぐにならないように

全体のバランスを

程よく整える事がポイントです。



家を建てようとしている方の

思い描く「おしゃれ」とは、

どのようなものでしょうか?。



たとえばご夫婦であれば、

二人の間で「おしゃれ」を

指すもの(定義)を、

住宅雑誌や

インテリア雑誌

Instagramや

ピンタレストの

画像などを見ながら、

デザインやスタイルの

擦り合わせを話し合ったり・・・。



壁はご主人の意見を、

ドアには奥さんの意見を

取り入れた結果、

それらが馴染まないと

いったこともあると思います。



単純に「合わせただけ」とは

ならないように、

そのような失敗を防ぐためには、

ご夫婦間の求める

イメージを

合わせることと同時に、

相談相手となる

建築士・建築家など

第三者がどのように意見し

デザインを

コーディネートするのか?

柔軟性も大切です。



後悔しないための

平屋独特の

検討要素・・・・・。



良い意味で「平屋」の特徴を

デメリットの範囲も

最大限メリットへと

変換しながら

自分達に正直で

心地よい住まいとなるように。



間取りの考え方と

暮らしの価値を融合する

丁寧な家造りを

考えてみませんか?



やまぐち建築設計室 建築家 山口哲央

https://www.y-kenchiku.jp/




著者:やまぐち建築設計室(建築家・設計事務所/奈良県)

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