土地探し
中古物件探しについて。
※住まい手さんとの土地探し
どうやって
土地を探したらいいかわからない。
本当にこの土地で大丈夫?
土地探しに心配はつきものです。
土地や中古物件探しを
建築家と一緒に行うことで、
家造りを念頭に多くのメリットがあります。
建築家との土地探し、
または中古物件探しの
メリットについて、
少しこのblogでも
書いてみたいと思います。
まずはじめに「目的」が見えている分
土地探しから建築づくりまで、
すべての心配が解消されます。
土地探しには
たくさんの心配がつきものです。
どうやって土地を
探したらいいか分からない。
その土地に本当に
建物を建てることができるのか?
規模はどの程度まで可能なのか?
住みたい家を
建てることができるのか?
日当りや風向きはどうか?
地盤(土地)は問題ないか?
不動産屋さんとの
金額交渉や
土地の重要事項説明書や
契約書の確認ができるか?
などなど、
建築家による専門知識があれば、
土地探しから建物の建築まで、
心配が解消されます。
次にコストを抑えることができます。
住まいのご要望をお伺いし、
おおよその住まいの規模、
工事費を想定してからの
土地探しも可能になります。
そうすることで
最低限必要な土地の広さがわかるので、
土地にかける必要な費用を
適切な内容で
抑える方法を事前に考える事ことが可能です。
また、一般的に
条件が悪いとされる
狭小地や変形地、
傾斜地であっても、
住まいのプランニングを検討できるので、
土地の問題点を知ることができます。
土地探し・中古物件探しのポイント。
住みたいエリアの決定。
土地探しや中古物件探しをする上で、
まず考えなければならないのは「エリアの決定」です。
生活の利便性を優先し都心にするのか、
それとも子供たちのために
自分たちのために
環境や住みやすさを
ポイントにおき郊外にするのか、
何に重点を置くのかで
エリアがおよそ決まってくると思います。
エリアが決定できたら、
具体的な土地探しとなってきます。
大手不動産会社から
地域の不動産会社、
土地検索サイトを利用し、
候補地を探していくことが多いと思います。
提携している不動産会社や
地域に強い不動産会社など
エリア選定でも
色々な差がありますが
どのようにネットワークを活用するのかで
土地探しも変わります。
勿論・・・地域の「空き家バンク」などを
活用する事もひとつの選択肢です。
そうすることで
地域の土地価格をだいたい
理解することができます。
いくつか候補をあげたら、
次に現地に行き、
僕も含めて、
ご自身でも土地を実際に
見ることが大切です。
土地を見る際には
土地そのものだけではなくて
その周辺や状況を見る事が重要。
土地調査(見学時)の
チェックポイントとしては
以下のようなところを重点的に。
①通勤や通学経路
(最寄り駅・所要時間・交通条件・バス利用するかどうかなど)
②周辺環境1
(学校・病院・市役所・スーパー・公園までの距離など)
③周辺環境2
(道路の騒音や振動・鉄道の騒音や振動・送電線・墓地などとの関係)
④周辺環境3
(地域コミュニティ・近隣の状況・空き地の有無など)
⑤土地の面積
(どの程度の建物が建てられるか・法律も関係します)
⑥土地の形状
(整形の土地かどうか)
⑦土地の高低差
(擁壁や傾斜・がけ地の有無など)
⑧日照条件
(土地の方位・接する道路の位置・周辺建物との距離・密度感など)
⑨既存建物のあるなし
(ある場合は、規模や構造を確認)
⑩建築条件が付くかどうか
⑪登記簿上の記載
(権利の別・地目)
⑫法条件
(市街化区域・都市計画区域・防火地域・接道条件など)
⑬地盤条件
(地盤の履歴・浸水歴・過去の使用用途など)
⑭インフラの引込み状況
(給排水、ガス設備などが敷地内まで引込まれているか)
一般の方であれば、
チェックポイントのうち、
おそらく視覚的に見える①~⑧あたりを
判断の拠り所として土地を選定し、
不動産屋が作成した建て売り住宅風の
プランをベースに、
直感的に買うかどうかの
判断をされていると思います。
同じ予算で少しでも
①~⑧の条件が良い土地を
探すのではないでしょうか。
しかし、
「土地+建物のトータルコスト」で考えた場合は、
①~⑧のポイントより、
⑨~⑭のポイントの方が重要になります。
⑨~⑭次第で建築費が
数百万円単位で変わってくるからです。
本当に思っている住まいを
建てることのできる
土地かどうか?
僕も過去に先に土地を取得された方から
住まいの設計依頼をいただき、
調査したり土地購入時の資料を拝見した際に
ご相談者さん(住まい手さん)が
思っている建物が建てられない
というシーンになったことがあります。
建築基準法や都市計画法
その他の条例や色々な内容を
土地購入時の「重要事項説明」には
記載されているのですが
不動産の説明が甘かったり
専門的な内容すぎて「具体性」が見えない等で
結局・・・・再度土地探しからお手伝いしました。
そういうところが
土地探しの「盲点」となります。
着地点が見える状態で
土地を探すことの重要性です。
なので、せっかく購入した土地に、
思っている
イメージを持った住まいを
建てることができないのでは
どうしようもないので・・・・・。
少し話しはそれましたが
話を元に戻して
まず調査する必要があるのは
⑪の登記簿上の記載や
⑫の市街化区域・接道条件による、
その土地に「どのような建物」を
建てることができるかどうかという問題です。
農地や市街化調整区域は原則として
(一部、例外もありますが)住まいは建てられません。
また、敷地が4m以上の道路に
2m以上接しているかどうかという問題も、
住宅計画の場合、
確認申請の絶対条件となるので、
調査が必要です。
4m未満の道路でも
位置指定された私道や、
「2項道路」と呼ばれる道路であれば
建築可能ですが、
これは市役所や都道府県行政、
その他関連行政などに行って
確認する必要があります。
また、「43条ただし書きの道路」と呼ばれる、
2項道路にもならない道路を
救済できる特殊な道路もあり、
これなどは、
専門的な建築行政や法律の内容となるので
不動産会社も「外注」で設計事務所や建築士に
または所属している専門の開発業者等に
調査してもらわないと、
なかなか分かりません。
さらに、地域により「敷地面積の最低限度」と
いったものもあるので、
建てられるかどうか、
という問題には細心の注意を払う
必要があります。
余分なコストアップはないかどうか?
その土地に住まいを建てられることがわかったら、
次に考える必要があるのは、
住まいを建てるときに、
余分なコストアップがないかどうか
という問題です。
⑦の土地の高低差があり、
大がかりな擁壁を造らざるを得ない場合は、
100万円「単位」の
コストアップになる可能性があります。
うまくその高低差を活用した
家のプランが可能な場合は
ぎゃくにアクロバティックな
間取りや暮らしを愉しめる事も・・・・・。
⑨の既存建物があり、
解体撤去をせざるを得ない場合も、
コストアップになります。
一般的に住宅の解体撤去費用は、
値上がりしています。
産業廃棄物となりますので
キチンと処理場に運び込みますから
予め考えておく必要性があります。
解体のしやすさや道路事情にもよりますが
30坪程度の木造住宅の解体であれば
150〜200万円程度の
コストアップになります。
⑫の法条件によるところでは、
例えば容積率に余裕がなく
地下を作る場合などや、
防火規制で窓や壁、軒裏等に
法規制でのランクアップや
RC造(鉄筋コンクリート造)に
する必要がある場合などは、
数100万円単位で
コストアップになります。
⑬の地盤条件によるところも大きいです。
田や畑などを
宅地とする場合は要注意です。
田や畑は地耐力が低く、
地盤補強が必要になることが多いです。
地盤改良費は
範囲や深さにもよりますが
表層改良で60万円程度、
柱状改良で100万円~150万円程度、
杭打ちの場合だと200万円程度、
あるいはそれ以上の
コストアップになる場合もあります。
⑭インフラの引込みがない場合も、
土地のサイズや道路からの距離
道路の埋設管深さにもよりますが
60万円〜100万円程度は
コストアップになります。
また、インフラ引込み等の工事は
その地域の市町村・役所の認定を受けている
「指定工事店」の工事となります。
このように、
土地の調査は非常に専門的で、
なかなか一般的には
わかりにくく
専門家であっても
一定の調査経験がなければ、
全てを判断するのは難しいと思います。
お得な土地の選び方について。
当たり前の話ですが、
日当たりが良く、
駅に近く、
整形で平坦な土地は、
人気があり高額になります。
土地探しの世界では
掘り出し物の土地はない
というのが定説で、
運良く安いという物件はまずありません。
安い土地は訳があって安い、
ということになります。
ですから、
お買い得な土地を探そうと思ったら、
誰にとっても魅力的な土地を
探すのは得策ではありません。
土地探しの時、
基本的に「日当たり最優先」で
考える人も多いと思います。
しかし、
単純な明るさを確保するには
北側窓でも十分すぎるほどの
光量が確保できますし、
トップライト(天窓)や
中庭を併用すれば、
南面にはさほどこだわる必要が
ないように考える事も可能です。
この「南側信仰」と呼ばれる
条件を外すだけで
随分土地探しの選択肢が
増えるのではないでしょうか。
むしろ日照より、
周囲に取り込める環境が
あるかどうかの方が、
土地選びの重要なポイントに
なるケースが多いです。
方位を問わず、
隣地にオープンスペース
緑地や公園、幅員の広い道路等があるとか、
ある特定の方向の眺望や
借景に優れるとかいうことがあれば、
それを手がかりに
住宅の構成を組み立てていくことが
可能になります。
予算的に買える土地は
色々状態により変わるものです。
周囲の環境を含めて
土地の価値を
自らの価値観で考え直すわけです。
例えば、
道路のある「接道方向」が
北側でかつ土地の面積が30坪と小さくても、
道路を挟んだ敷地の反対側に
市街化調整区域が広がっているというような土地は、
南側の風景を「借景」として取り込めれば、
魅力的な住まいが
計画できるかも知れません。
また、接道方向が北側であっても
土地面積が45坪程度あれば
南側に庭を設けて
日当りの良い住まいをつくることは
十分可能です。
これをトータルコストの
議論を踏まえて考えると、
お得感が強いのは、
(1)隣地にオープンスペースがある
(2)土地と道路はほぼ平坦
(やや傾斜がある時は雛壇造成されていない方が良い)
(3)建物の形は自由に決められるので不整形地でも可
(4) 接道方向は北向きでも可
(5)インフラ整備済み
(給排水が敷地内に引き込まれていること)
というような土地です。
土地探しの状況は皆さんそれぞれに
大事にしている価値は異なるものです。
自分たちの暮らしにとって
どのような場所がよいのか?
色々な価値観を見直しながら
土地ですべてが完結する訳では無い
という視点を持って
色々と考えてみてください。
住まいは
暮しの環境を変えます。
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やまぐち建築設計室 建築家 山口哲央
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