原点回帰という訳ではありませんが住宅設計と暮らしの趣に和風住宅の存在と過ごし方のイメージ、旅館のように暮らす過ごし方も和の設計デザインで満たされる空間に。

やまぐち建築設計室

著者:やまぐち建築設計室(建築家・設計事務所/奈良県)
2023-11-08更新
原点回帰という訳ではありませんが住宅設計と暮らしの趣に和風住宅の存在と過ごし方のイメージ、旅館のように暮らす過ごし方も和の設計デザインで満たされる空間に。


設計実例でホームページに

掲載中の和風住宅に関して、

ご相談やご質問を

頂戴する事も多いので

ここでも少し書いておこうと思います。





昔ながらの安心感と温かみのある

日本風・純和風の家は、

旅館のようにも安らげる空間。

日本の気候や風土に適していることで

和をモチーフにした家を建てたい

考える方も多くいらっしゃいます。



事実、

おおらかに暮らしを包み込む数寄屋の家は

雑誌社からのお問い合わせも

よくいただきます。





色々ご興味を持たれている方も

お問い合わせをいただきますので

数寄屋の家・和風の家に関する

計画のポイント等。






純和風、高級住宅で

格調の高い家を目指すのであれば、

屋根の形状、屋根瓦の選定、

軒樋(のきどい)と軒受金物(というけかなもの)の

選定に気を配る事。



屋根の形状からも

和の雰囲気を醸し出す。

出来る限りシンプルにそして重厚に。

次に屋根瓦の選定。

和風や純和風の家に欠かせないのが、

和風の装いを

より一層際立たせてくれる和瓦。



中でも、鬼瓦という

鬼の顔の装飾が施された瓦。



鬼瓦には、鬼を見方に付けて

厄を払うという魔除けの意味の他にも、

建物を雨水から守るという

実用的な役割もあります。



また和瓦は、瓦職人の熟練した技術により

末永く持ついわれる

建築材料です。

末永く家を守ってくれる屋根にする為にも、

瓦選びや業者選びは

慎重に行うことをおすすめします。



軒樋と樋受金物。

和風の家を計画するには、

軒樋(のきどい)と

樋受金物(というけかなもの)の

品質やデザインにも気を配るべきです。



軒樋とは屋根の軒下に設置された

長い建材で、

屋根に降り注いだ雨水を集めて

スムーズに排水するための、

雨水の通り道です。



そしてその軒樋を受ける金物のことを

樋受金物と呼びます。



軒樋と樋受金物は

建物の見た目を左右する部材ですが

大量の雨水や酸性雨にも

耐えられる耐久性の高い素材を

選ぶように・・・・・。



外壁について。

木造の家をつくるときの

軸組み工法では

「真壁(しんかべ)工法」と

「大壁(おおかべ)工法」の

2タイプの壁の納め方があります。



真壁工法は、

意図的に柱や梁を露出させるので

重厚な和の雰囲気が

強く出せますが、

壁の厚みが薄くなるため

耐久性や気密断熱性が

低くなるというデメリットがあります。



大壁工法は、

柱や梁などの構造体を

壁や天井の中に隠す工法であり、

近年の高気密・高断熱住宅は

大壁工法にすることによって

耐久性や気密断熱性を

高く保っています。



和風の家づくりでは、

真壁工法で外壁を計画するのが

風情を生みますが、

真壁工法では

気密性能や断熱性能の

確保が困難なため、

大壁工法で計画するか

又は大壁工法の上から

真壁工法に見えるような

付け柱を設けるという

手法を考慮する事もあります。



そうすることで、

重厚な和風の外観を生み出しつつも、

気密断熱性能を確保した

住宅をつくる事が可能です。



日本風・純和風の住宅で

次のポイントとして内壁と天井。




内壁については

外壁の項目でもお話させていただきましたが、

内装においても大壁工法で

内壁をつくり、

耐久性や気密断熱性能を確保しつつ、

付け柱で真壁工法のような

和風に見せるという工夫も

一つだと思います。



そうすることで、

和風の雰囲気を壊さないで、

冬暖かく夏涼しい

現代の環境に応じつつも

暮らしに違和感の無い住宅を

手に入れる事ができます。




天井について。

純和風の家にするのであれば、

折上格天井(おりあげごうてんじょう)や

竿縁天井(さおぶちてんじょう)といった

格式高い和風デザインの

天井を取り入れることも

視野に入れてみてください。



折上格天井とは

碁盤目に組んだ角材の上に

裏板を張った天井で、

中央部が一段高くなっている

重厚なつくりの天井です。

竿縁天井とは、壁面の上端に沿って

備えつけた回り縁に「竿縁」と呼ばれる

細い横木を等間隔で平行に通し、

その上に天井板を乗せた天井であり、

日本建築で一般的に用いられる

伝統的な和室天井です。



間取りについて。

日本風・純和風の住宅として

家をつくる間取りのポイントとして、

洋風の空間を計画する場合と

縁側や茶室について・。



洋風の空間を計画する場合、

外観が和風の家でも、

内装に洋風テイストを

取り入れることはよくあります。




例えば、

和のテイストをメインとした上で

洋風テイストや

現代的なイメージを取り入れる

和モダンな部屋では、

フローリングに

ソファーやダイニングテーブルを

設置するといったような、

洋風のインテリアを

おしゃれに楽しむことも可能です。







洋風の空間を取り入れたい場合は、

完全に和風にする空間と、

洋風テイストを取り入れる空間の

エリアをどのように分けて、

雰囲気を愉しむのかも

計画的に間取りの設計を行うように。



縁側や広縁の存在。

和風の家屋の多くには

昔から「縁側」や「広縁(ひろえん)」といった

日本家屋独特の空間が設けられていますよね。




一般的な縁側は

幅が約90㎝程度のもので、

幅が120㎝ほどになる縁側を

広縁と呼びます。



縁側には部屋と部屋を

行き来する廊下の役割や、

現代的に言うと「ダブルスキン」のような

温度を調節する

機能がありますが、

その他にもイスや

テーブルを置いて

和の空間で

テラスのような空間として

利用することもできます。



日本風・純和風の住宅を

計画する為に大事な玄関の趣。



引き違いの格子戸、

飾り棚、奥行きについて。



引き違いの格子戸。

純和風の玄関扉といえば、

伝統的な和風のデザインである

引き違いの格子戸を

取り入れる事で

全体の雰囲気も・・・・・。





大きな引き違い、

又は引き分け格子戸を

設置するには、

玄関の幅は1間半〜2間(約2.7m〜3.6m)

程度必要となります。

引き違いの格子戸は

その雰囲気が

和風住宅にマッチして見栄えも良く、

通気性も優れている反面、

防犯面が心配な方も

多いかと思います。



そういった場合は、

二重扉にするなど

工夫をすることで防犯性を確保しつつ、

格子戸を閉めたままでも

風を通すことができます。





飾り棚の雰囲気。

玄関の壁は、

和風のインテリアを演出するのに

最も効果的な場所です。





玄関やホールの壁に

飾り棚を設置することで、

季節の花を飾ったり

焼き物や和装を飾る等

日々変化のある玄関の装いを

楽しむことができます。




あまり多くをという事でなくて

余白を引き算でデザインして

凛とした演出を

楽しんでみてください。



ライフスタイルにあわせて

空間の比率を

どのように考えるべきなのか?



それによって和の趣も

居心地も随分変わります。



日常にどのような和の世界観を

表現し暮らしを愉しむのか?



和風の家での

過ごし方の質的な向上に

つながると思いますよ。



暮らしの空間を丁寧に考えてみませんか?



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