著者:西島正樹/プライム一級建築士事務所(建築家・設計事務所/東京都)
2022-07-22更新
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「最も詳しい屋根・小屋組の図鑑」(発行:エクスナレッジ 7/19発行) に
掲載されました。(P29)
木造でつくったひねりのある曲面屋根が注目されました。
ご覧頂ければ幸いです。
https://www.xknowledge.co.jp/book/9784767830216
■ 設計主旨
幼稚園園長の家です。
建主の願いは「子どもや地域の『集いの場』でありたい」とのこと。
その思いを受け、広い居間を柔らかく包み込む構造として、
うねるような3次元曲面を描くHPシェルと呼ばれる特殊な構造の屋根にしました。
大きな断面の梁材を使わずに、小さい部材によって軽やかに架構できる構造で、めざす空間にふさわしいと考えました。
構造は木造としました。計算上は、6m×7.5mの空間を、合板2枚の厚み(24mm)で覆うことができます。
合板同士をねじれた形で固定しつなぎ合わせるためには、継ぎ目をしっかりとめる必要があるので格子状に「繋ぎ材」を入れることにしました。
この「繋ぎ材」上面をHPシェル曲面に合わせるため、
設計時は繋ぎ材」自体をねじる計画でしたが、現場では、棟梁の提案で、1本1本上面を削る事にしました。
施工上は手間がかかりましたが、大きな空間を軽やかに架構するには、他にはない魅力的な構造形式ではないかと考えています。
著者:西島正樹/プライム一級建築士事務所(建築家・設計事務所/東京都)