リフォームを行う際の選択肢は、大きく「建築家・設計事務所」「工務店・リフォーム会社」に分かれます。
建築家・設計事務所の場合、設計を行う建築家・設計事務所と、工事を行う工務店が分かれているため自由度が高く、デザイン性、居住性の高いリフォームが可能になります。
そのため、建物全体の改修を行う大規模なリフォーム、より良い住まいを目指すリノベーションなどは、建築家・設計事務所をおすすめしています。
一方で、建築家・設計事務所は工事費用とは別に設計監理料がかかるため、あまり自由度を求めていないシンプルなリフォームや部分的なリフォーム、コストを極力抑えたい場合などは、工務店・リフォーム会社の方が向いています。
ただ、リフォームはトラブルも多く、国民生活センターにも多くの相談が寄せられています。ここでは、リフォームトラブルを避けるために、気を付けておきたいトラブル事例をご紹介します。
欠陥工事・手抜き工事のトラブルは少なくありません。特に500万円未満のリフォーム工事は建設業許可が必要ないため、誰でも行うことができます。とにかく契約して、後は下請業者、職人に丸投げ、というリフォーム会社も少なからず存在しており、管理が行き届いていない、人件費が安いため経験の浅い職人に頼む・職人のやる気が出ないといったことは往々にしてあり得ます。
このような欠陥工事・手抜き工事を避けるためには、「訪問販売は契約しない」「相場からかけ離れた格安リフォームは避ける」「評判を調べる」「事例を見せてもらう」「建設業許可を持っている業者を選ぶ」などの注意が必要。決して他人事とは思わず、自分にも十分に起こり得ることだと思って慎重にすすめてください。
リフォーム会社は小規模な会社も多く、資金難で職人を手配できず工事が進まない、中断する、工事途中で倒産してしまうといった可能性もあります。
このような工事途中での倒産での泣き寝入りを避けるため、リフォームを行う際にはリフォーム瑕疵保険に加入しておきましょう。リフォーム瑕疵保険に加入しておけば、万が一工事途中でリフォーム会社が倒産しても、保険金が支払われます。また、case1のような工事の欠陥(瑕疵)が見つかった場合も無料で補修してもらえるので、リスク回避のためにも必ず加入しておきましょう。
工事の途中で「〇〇に欠陥が見つかったので追加工事が必要」と言われ、追加料金を請求されるトラブルも少なくありません。契約前の打ち合わせ、見積時に、追加料金の発生の有無、どのような場合に追加料金が発生するかを確認し、書面にした上で工事に臨みましょう。
その上で理不尽な追加料金を請求されたら、泣き寝入りせずにしかるべき機関に相談してみましょう。お住まいの自治体や国民生活センター、住まいるダイヤルなどに相談すると、専門家から適切なアドバイスをもらえます。
「想像していた、希望していたリフォームとは違う」といったトラブルもよくあります。特にイメージを口答だけで伝えてしまうと、解釈の違いということで泣き寝入りするしかなくなる可能性もあります。
このようなトラブルを避けるために、「契約前に打ち合わせを入念に行う」「言った・言わないの論争にならないように、細かいことでもきちんと書面にしておく」ということを忘れないでください。
契約した金額よりも多額の費用を請求されるケースもあります。このような場合は、請求された金額を支払う前に、上で挙げた相談窓口に相談するようにしましょう。
状況によっては、詐欺である可能性もあります。悪質な場合は遠慮なく弁護士に相談するようにしてください。
この他にも、リフォームトラブルは様々な事例があります。トラブルを避けるためには、複数のリフォーム会社に相談して比較検討する、極端に高い、安い提案は慎重に検討する、決め事は必ず書面にしてもらう(口約束で進めない)、といった点に気を付けて進めてください。
実際にトラブルに合ってしまったら、早めに公的な相談窓口(住宅紛争処理センター・住まいるダイヤル等)を利用することをお勧めします。