建売住宅は低品質?

2016-12-25 テリーさんからの質問・相談

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建売住宅の購入か、注文住宅かで悩んでいます。建売住宅は注文住宅に比べ低品質と聞きますが本当ですか。あまりこの分野に明るくありませんが、素人感覚としては、注文住宅も建売住宅もそう変わらないのでは、と思います。土地を買って、さらに注文住宅を建てて、となると、建売住宅より金額は大きくなるかと思いますが、実態としてはどうなのでしょう。京王線、小田急線、中央線沿線の東京西部で検討中です。手抜き工事のリスク等は、どちらもあり得ることでそう変わらないですよね。贔屓目のない、客観的な意見をいただければ幸いです。

専門家の回答

小川貴之建築デザイン(建築家・設計事務所/神奈川県)

テリー様、はじめまして。

ご質問にありました、注文住宅と建売住宅の違いについてご説明させていただきます。
(ここで言う、「注文住宅」の設計者はハウスメーカーや工務店ではなく設計事務所の前提でお話をさせていただきます)

建売住宅が注文住宅に比べ低品質とありますが、一概に比較はできないと思います。
同じ土地で同じ面積の住宅を建てようと考えた場合、コストはまず間違いなく注文住宅より建売住宅の方が安くなります。コストに対しての品質という意味では建売住宅は相応といえるかもしれません。また、注文住宅の品質は、設計事務所の創意工夫が施されてコスト以上の価値を感じられるものが多いですが、工務店・建設会社選びを間違えると建物の品質に影響することもあります。

建売住宅と注文住宅の違いとして、
工務店やハウスメーカーによる建売住宅は、複数棟を同じようなデザインで企画し、なるべく既製品、規格品を採用しています。そうすることで工務店や工事業者さんの技術力にあまり左右されることなく、一定の品質を確保しながら価格を抑えることができるためです。
一方、設計事務所による注文住宅は既製品や規格品の組み合わせだけでは対応できないことが多く、工務店や工事業者さんの施工力に左右されることになります。当然、注文住宅でも工務店や工事業者さんの技術力が低ければ低品質なものになりかねません。そうならないためのチェック機構として働くのが設計者・工事監理者(設計事務所)です。設計段階では、見積をお願いする建設会社や工務店が高い品質で工事を実施することが可能かどうかを施主に報告し、その会社が提出した見積金額が適正かどうかを精査します。工事段階では、施主に代わり専門的な見地から、施工図面をチェックや、協議打合せ、現場確認、構造など重要な部分の検査立会を行います。(建売住宅の場合はこのような細やかなチェックはありません)

工事の品質の大きい部分は工事監理者(設計事務所)と工務店や建設会社が打合せや協議をすることで確保していけますが、実際の工事の細かな部分の手抜き工事のリスクに関しては、日々現場にいる現場監督の役割が重要となります。工事監理者は毎日現場にいるわけではないため、隠蔽されてしまえば見えないからです。そうならないためには、やはり信頼できる工務店・建設会社選びが大切です。

建売住宅にするか、注文住宅にするかはデザイン面、品質面、価格面も踏まえて、テリーさんがどこまでこだわられるかが決め手だと思います。
その他にも気になることなどありましたらご回答いたしますので、お気軽にお問合わせください。
ご参考にして頂ければ幸いです。

1級建築士事務所 小川貴之建築デザイン

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