設計事務所で建てた住宅は売りづらいと聞きましたが本当ですか?
買い手がつきにくいという意味では、設計事務所で建てた住宅は売りづらいかと思います。
設計事務所で注文住宅を建てる場合、それぞれのお施主さんの希望、家族形態、暮らし方などを踏まえて、ゼロからの設計、フルオーダーメイドの注文住宅となることがほとんどです。(そのことが設計事務所で注文住宅を建てる最大の利点でもあります)
一方、ハウスメーカーで注文住宅を建てる場合は、既存のプランの中から選択していく、いわば住宅という商品の購入に近い形となります。(自由設計のプランもありますが、完全にゼロからの設計ではなく、既存の選択肢の組み合わせで建てるケースがほとんどです。)
上記の事情を踏まえると、
設計事務所で建てる注文住宅=個別のお施主さんに合わせた家
ハウスメーカーで建てる住宅=一般的に人気のある家
という傾向になります。
中古住宅の市場で考えると、「一般的に人気のある家」の方が買い手がつきやすいため、
ハウスメーカーで建てる家は買い手がつきやすい=設計事務所で建てる家は買い手がつきにくい
となります。
また、設計事務所は小規模な事業者が多く、ハウスメーカーは大規模な企業が多いという点も、中古住宅の購入希望者にとっては安心感につながる、とも考えられるでしょう。
これらの理由から、売却を前提として注文住宅を建てる場合は、ハウスメーカーの軍配が挙がると思われます。
ただ、売却を前提とするのであれば、一戸建てよりもマンション等の方が流通の観点から有利と考えられるので、注文住宅を建てるなら売却よりも、永く暮らすことを想定してどんな生活を送りたいか、を重視すべきと考えています。
そのため、とにかく費用を抑えたいなら職人さんを直接雇用しているような地場の工務店、暮らしやすさを重視するなら設計事務所に依頼して注文住宅を建てる、という考え方を支持しています。
なお、もちろんですが、個別の事情や価値観によって、ハウスメーカー、地場の工務店、設計事務所のどれが良いかは変わってきますので、お悩みになったらお気軽にご相談ください。