中古マンションを買ってフルリノベーションしたいです。共用配管の位置で間取り変更に制限が出ると聞きましたが、どの程度自由にできますか?
マンションリノベーションでは、専有部分の中ならかなり自由に間取りを変えられますが、「どこまでが自由か」は建物の構造や配管のルートに大きく左右されます。
壁式構造のマンションでは、間仕切りの一部が構造を支える役割を担っているため、壁を撤去できないケースがあります。一方、柱と梁で支えるラーメン構造の場合、壁を撤去して部屋を繋げる、広いLDKをつくるといったことも可能であるケースが多く、自由度が高くなります。購入前に設計図書や管理組合への確認で、どちらの構造かを把握しておきましょう。
また、キッチン、浴室、トイレ、洗面所など水まわりの制約も大きいです。これらの排水は、基本的に下階へ縦に通る「共用の排水管(縦管)」に接続する必要があるため、元の位置から大きく動かすことができません。排水勾配を確保できる範囲が、移動の限界になるでしょう。
マンション全体の設備(給水・ガス・換気など)による制約もあります。たとえば、共用ダクトに繋ぐ必要のある換気設備を動かせない、床下配管が浅くて床を上げなければ移動できないなど、外からは見えない制約も多いです。
リノベーションを前提として中古マンションを購入する場合、事前に設計事務所やリノベーション会社に相談し、構造や配管、共用設備などを調べてもらったうえで、「どこまでリノベーションできるのか」「どの程度の費用がかかるのか」を確認してから購入することをお勧めします。
ご希望に合わせ、リノベーションを得意とする建築家・設計事務所のご案内も可能ですので、よろしければお気軽にお問い合わせください。