「十人十色」
“十人十色”から名付けられたこの施設では、人々の個性を「色」としてとらえ、受け止める。
白く広がる空間を歩くと「加法混色」の原理を用いたカラーシャドーにより影に色が付き、普段は見えていない人々の本来持っている「色」を視認化できる空間になる。
また、人々が集まり、コミュニティーが増えることで、たくさんの影が集まり、そこに色が付き、何もない空間に徐々に「色」が付いていく。
そして、それぞれの個室は、マテリアルによって「色」の重なりを表現した。
実際には、床材をレイヤー状に想定し、その材料が何層にも重なっていくことで、色が変化し、空間の中に様々な大きさのエリアが現れるように設計した。
(注)加法混色(カラーシャドー)
加法混色とは、混ぜて得られた色の明るさがもとの色の明るさの和になる混色。混合するほど明度が高くなり、”光の三原色”である、赤(R)・緑(G)・青(B)を同じ分量で混ぜ合わせると白になる。