「色彩」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば""日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店""をつくりたいという思いの表れである。
イクスピアリの1F(ザ・コートヤードゾーン)は、かつて、機織職人がバティックを取引していた商品取引所(ホール)が、今は世界中の食品と知識を売るワールドマーケットになっているという時代設定である。
そこで、nana's green teaイクスピアリ店では、「布」と「減法混色」の原理を使う事によって
「色彩」を表現する事を試みた。
「減法混色」ーーー減法混色とは、混ぜて得られらた色の明るさがもとの色より暗くなる混色。
絵の具を混ぜ合わせたり、色ガラスを重ねるともとの色の平均明度よりも暗くなる。
重なった部分は、光がたくさん遮られるため、重ねれば重ねるほど混色によって得られる色は暗くなっていく。
""色料の三原色""である赤紫(M)・緑みの青(C)・黄(Y)を同じ分量で混ぜ合わせると黒(暗灰色)になる。
実際には、様々な色のレースを天井から吊り下げる事によって、見る角度によってはレースが重なり「わびさび」の境地である「色彩感を否定したような枯淡な趣き」の「色彩」に見え、また、
ある角度からはレースそのものの「色鮮やか」な「色彩」に見え、イクスピアリに相応しい夢のある空間(色彩感のある空間)を表現できる空間とした。