住宅街に建つ住宅。以前からこの土地に住むクライアントはご近所の方と積極的に交流を持つため、親同士や子供同士のコミュニティーの場として活用されることが想定された。
そこでコミュニティーの場とプライベートをそれぞれ可視化させる事で、ご近所の方が気軽に訪問しながらもプライベートを守ることができるのではないかと考えた。平面断面共に、個室などのプライベートをそれぞれボリュームとして捉え、その隙間にコミュニティーの場が入り込むような形をしている。それを行うことで縁側や路地空間の昔からある井戸端会議のような性格を持つ空間ができるのではないかと考えた。
コミュニティーの場は全て吹抜になっている。それにより北、東側の近接した住宅が建ちながらも、南からの光りを家全体に行き渡らせることが可能になっている。光々と光るコミュニティーの場と少し落ち着きのあるプライベートな空間。プライベートを出るとすぐにコミュニティーの場とつながることができ、家族の気配を感じることができる。
その逆にコミュニティーの場で家族とのコミュニケーションを取りつつも、ドアを開ければすぐにプライベートな空間へ入ることもできる。街のような構図を持つこの空間は、各々のプライベート空間が一つの家のような働きをし、子供の自立心を生むのではないかと考える。