「露滴庵」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
露滴庵とは、もとは京都・伏見城内にあった茶室であったが、古田織部が好み、京都・本願寺を経て向島へ移築(16世紀後~17世紀前) されたものである。
この茶室には、水屋や棚を照らすための天窓があり、光のコントロールと開放感を演出している。
千利休の時代は、茶室をより小さく簡素化する傾向にあったが、古田織部や小堀遠州の時代になると、茶室に付ける窓の形や大きさに変化が生まれ、開放感を求めるようになった。
nana’s green tea広島パルコ店は、大きな吹き抜け空間にあり、上から見下ろす目線もあることから、茶室ごとに大きな天窓を設けて開放感を獲得し、そこに茶つるの切り絵をはめ込むことで、光のコントロールを行うと共に、現代の茶室を表現する。