「禅」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
武野紹鷗は大阪の堺出身の茶人であり、千利休の師として茶禅一味のわび茶を深めた人物である。
茶禅一味とは「茶の湯と禅の関わりを示す禅語」であり、紹鷗は南宗寺で茶の湯に開眼すると同時に茶禅一味のわび茶を深めることができた。そのなかで、茶味は禅味をかねるという言葉が見え、この時代から茶と禅との結び付きを強め、「茶道」の基礎を作った。
「禅」とは全ての人が自分自身の内面に本来備えている仏性を再発見するために、座禅を継続し、仏教的真理に直に接する体験を得る手段とし、その経験に基づいて新たな価値観を開拓することを目指すことである。そうして得た悟りから涅槃に至り、その後に一切の衆生に導くことを目的とする。
端的に言うと「內面を見つめる」→「自己を発見」→「さらに内面を見つめる」→「さらなる自己を発見」の繰り返しののち、最終的に悟りを開くことである。
nana’s green tea なんばマルイ店では、大阪で生まれた「禅」と「茶」の結びつきを表現する。
ハーフミラーで全ての間仕切りを作成することによって、内面と外面の曖昧な境界を表現し、合わせ鏡の效果により像が無數に広がり、内省の繰り返しを経験する。