「淋間茶湯」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
中世の茶の湯のなかに、「淋間茶湯」と呼ばれる茶の湯がある。
風呂は古来より人々の好んだ行為であり、客をもてなす趣向としても用いられてきた。その風呂を茶の湯と組み合わせたのが「淋間茶湯」であった。主人は客人をもてなすために自ら風呂を沸かす。客人は屋敷に入るとまず風呂で汗を流し、さっぱりした着物に着替え、気分を新たにし、茶会を始める。それは千利休の「詫び茶」とは趣を異にした気取らない雰囲気の茶の湯であった。
そこで、「淋間茶湯」というコンセプトをもとに、よりリラックスした、もてなしの茶室空間を作り出した。