「家具のない空間」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
明治以降の西洋化に伴い、日本には家具という概念が本格的に流入し、かつての床に座っていた日本建築が大きな転換期を迎えた。かつての日本建築において家具は、収納であったり、縁であったり、建築と一体化して存在していた。茶室はそれ自体が家具そのものであった。
横浜モアーズ店では、「家具のない空間」というテーマをもとに、現代社会に当たり前に存在する家具の存在感を消すことで、日本古来の家具のない世界を創り出し、現代の茶室を表現した。