「偕楽園」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
「偕楽園」とは、水戸藩第9代藩主徳川 斉昭公により造られた金沢「兼六園」・岡山「後楽園」とともに、日本三大名園の一つに数えられている庭園である。
偕楽園は元々は風景園であることから、外景も取り入れ、千波湖を庭の泉水に凝し長堤を造り並木を植え、梅林や竹林、楓樹林をあつらえ、さらに箕川を入れ新川を設け、柳・楓・山吹などを植栽して自然景観を楽しんだ場所である。
偕楽園では、民と「偕(とも)に楽しむ」の意で名付けられたこの庭園を、徳川 斉昭公は庶民の遊園として開放し、公園の先駆け的思想を打ち出した場でもある。
偕楽園には、竹や松の林が「陰の世界」を、梅林が「陽の世界」を表すことで、園全体で陰陽の世界を堪能することができる。
陰陽の世界は園内の休憩の場として徳川 斉昭公により建てられた「好文亭」付近偕楽園創設の趣旨を示した石碑「偕楽園の碑」があり、自然界の陰と陽の調和についての説明がある。竹や松の林が「陰の世界」を、梅林が「陽の世界」を表すことで、園全体で陰陽の世界を体現している。
今回は、竹で梅の花を造ることによって空間に陰の世界と陽の世界を作りだし、空間全体で偕楽園の陰陽の世界を体現し、偕楽園本来の魅力を堪能することが出来る空間を演出した。