大阪近郊の良好な住宅地に建つ、三人の幼いお子さんを含む5人の家族と、猫二匹が暮らすコンパクトなお住まいです。
中古の住戸を購入されて生活されていらっしゃいましたが、地震への不安などから建て替えることとなりました。隣接地などにも住居が密接して建つ敷地の中で、コンパクトながらも伸びやかな暮らしを意図して2階リビングを提案させて頂きました。
家族が集う主要な生活の場は、天井を屋根のかたちそのままに勾配天井としてゆとりある高さを生み出しています。その三角形の天井は長手に端から端まで連続し、道路側の妻壁にも三角の高窓として現れています。屋根面には北向きにも高窓を設けて、光と空気の通り道としています。
リビングから背中合わせに棚で仕切られた細長い机のコーナーは、隔離感と籠り感がここちよい場所です。ステンレスのフレームキッチンが据えられたオープンの台所からは、その机のスペースの様子も垣間見ることができます。
高い天井には、屋根を支える構造の木材(梁)が架け渡されました。棟を支える束を挟み込むように二本を一組で渡された梁のすき間には、上向きには天井を照らす間接照明を、下向きには自在に照明を取付けることができる配線ダクトを忍ばせています。この梁の上はネコさん達の格好のお散歩コース、実は束で行き止まりにならないよう、二匹の猫がすれ違い出来るように二本の抱き合わせとしたのでした。
その他にも、猫用トイレくぐり戸を設けたり、顔を出す孔を設けたり、脱走防止扉を設けたり・・・とあの手この手のご機嫌伺い。
はたして気に入ってもらえてますかどうか・・・
ネコさん達にもニンゲン様達にも!
梁の間に架け渡した板は工事用の足場板です
二階のリビングダイニングとして明るさと豊かな天井高さを設けています
屋根を活かした高い天井には高窓を設け 明かり取りと通風を兼ねています
ダイニングテーブルの上の梁を歩くねこのすみれさん
奥の畳の間とは引戸でつながります
ダイニングとデスクコーナーを隔てる棚の一部はオープンとなって両面から使えます ねこさんも通り抜けできます デスクの一部が洗面となっています
ダイニングから隔てられた北向きのデスクコーナーはほどよいこもり感があります
ダイニングから隔てられたデスクコーナーもキッチンからは様子をうかがい知ることができます
カウンターで手元を隠したステンレスキッチン ベランダに面しています
道路側は西面で日射を遮る閉鎖的な造りです キッチンの高窓が妻面に現れています