「屏風」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
茶を点てる場所、即ち「茶室」の原点はどんなものだったのか。
それは台子書院の茶に発展する前の事とされ、一説によると、広間の一部を「屏風」で囲った場所で台子を据え「茶点て所」として始まったとされています。
後に茶室を「囲い」とも言うのはここから始まっている。
茶室の歴史は六畳→四畳半→二畳→一畳半と、徐々に簡素化され、飾りについても「物少な」を基本とし、徐々に簡素化された。
そこで、nana’s green tea京都桂川店では、この屏風だけで茶室を構成し、さらに「簡素化」の美学を進めることが出来ないかと考えた。
実際には、屏風をミラーで仕上げることによって、お店自体の存在を、自分が映り込むことで初めて認識できるデザインとし、そこに茶の湯の思想である「わび」の精神が宿ることとなった。