「Live kitchen」
青木商店は、1924年創業のフルーツ専門店として、多くの人に、本当のフルーツの素晴らしさを知って頂けるサービスを手がけており、中でもフルーツバー事業の果汁工房karinは、『極上フルーツ搾りたて』の通り、新鮮で旬なフルーツを使い、注文を受けてから、お客様の目の前でフルーツを搾るという、まさに『手づくり』のフルーツバーを展開している。
創業当時より店作りのコンセプトは「キッチン」であり、お客様に絞りたてを提供するという「思い」は変わっていないのだが、オペレーションよりフィードバックされる情報により設計の精度を上げていくと、お客様との境界はどんどん高くなり、目の前で作るというコンセプトは薄れてきていた。
また、当時のキッチンのイメージそのままにインテリアのメイン商材がステンレスとなっていた為、今日の人々が持つイメージはキッチンというより厨房のそれに近くなっていた。
そこで、私は「Live Kitchen」というコンセプトを打ちだし、お客様と従業員の垣根を全くなくし、まるで友人同士がオープンキッチンを挟んで、談笑を始めることが出来る様な店作りを提案した。
実際には、高さ90cmのカウンターを作成し、そこに全ての機能を集約し、全ての制作過程をお客様の目の前で実演する設計とした。
私はこのフルーツバーより、お客様とお店の新しい関係が生まれることを期待する。