「宗旦の一畳半の不審菴」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
千宗旦とは、千利休の孫であり、宗旦の子供が現代まで続く表千家、裏千家、武者小路千家の祖である。
宗旦は禅と茶は一つであるという、茶禅同一味を説き、大名に仕官せず、清貧の生活の中で、禅とひとつの茶道に徹した。
利休は聚楽屋敷に一畳半を作り、世間で初めての試みで注目を集めたが、一畳半は「太閤ノ御意」にいらなかったと江岑が伝えている。
それで利休は二畳敷に改め、床も設けたが、宗旦はその床さえ省いた床なしの一畳半という、まさにわび茶の究極の茶室を作り上げた。
そして「花も掛物も」要(い)らぬ座敷であると江岑に教え、そのような茶室を不審菴と称し、千家の茶の象徴とした。
nana’s green tea ららぽーとエキスポシティ店では、茶室の歴史に準じた、千利休が作った6畳の茶室から、千宗旦が作った1畳半までの茶室の広さを表現した。
実際には上下に稼働させることのできる障子壁によって客席を自由に間仕切れるようにし、茶室の広さを調節することが出来、6畳から1畳半までの広さを再現した。