「縁側 」
MOSDO関西空港店は「モスバーガー」と「ミスタードーナツ」を1つの店舗で楽しむことができる共同ショップである。
しかし、共同で運営はするが、メニューや運営オペレーションはそれぞれの独自の形があるため、各ブランドの店舗コンセプトは引き継ぐ必要があった。
「モスバーガー」の店舗デザインコンセプト
山、海、太陽をテーマに自然で開放感のあるアメニティースペースの提案。 親しみがあり、ほのぼのとした暖かさと寛ぎを与えるお店。 自然感を基本にウッディー&ナチュラルをキーワードとした店作り。
「ミスタードーナツ」の店舗コンセプト
家族といるようなほっとした気分を味わえる空間「アットホーム」。
気軽さとくつろぎの我が家。
お客さまに「自分のお店」と思ってもらえる。
両者は、一見似ているが全く異なる店舗コンセプトを持っているため、私は、そこを繋ぐコンセプトが必要であると考えた。
そこで、私はモスバーガーの店舗コンセプトである「自然」とミスタードーナツの店舗コンセプトである「家族」を繋ぐ日本人の心象風景として、「縁側」が相応しいのではないかと提案した。
「縁側」は昔より家族の集まる「場」であり、自然との緩やかな「境界」を生み出す装置として活用されて来た。
また、その風景は「ぬくもり」の象徴として日本人の心象風景として心に刻まれている。
実際には、空間を大きく斜めに2つに区切り、庭と家、そして中間領域に縁側を創り出した。
また、家に見える部分には厨房を取り込み「安心・安全」のイメージ強化を図り、空間にはクッションや時計、皿など、家に存在するものを多く配置した。
そして、庭の部分には、インテリアでありながら、エクステリアの素材と家具を使用し、エアプランツなどの植物を配置することによって、外部空間を作り出した。
そして、照明の色温度もインテリアとエクステリアで大きく変化させ、縁側の空間が強く生きる空間構成となっている。
私はここで、空間と食事を通して人々が繋がることを期待している。