「写し茶室」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
写し茶室とは「灯篭、手水鉢など全て器物の原形と同様に作ること」をいい、写しの原形となるものを本歌と呼ばれる。
だが、ただ同じ型の建築を反復させたものではなく、茶人の茶の精神の継承を本来意図しており、その土地の風土に合わせた材料を使用しつつ、設計者独資の創意工夫が施されている。
そこで、今回の甘味茶屋七葉沖縄店では、本歌である甘味茶屋七葉新宿店の写しを提案した。
実際には、本歌と同様に石の間と畳の間の2つの空間で構成し、腰壁に大谷石の代わりに琉球石灰岩を、畳には琉球畳、間仕切りの簾には沖縄ミンサー織りを使用する等、沖縄の風土と伝統を織りなし、茶人としての七葉の精神を写し茶室として表現した。