「虹窓」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
茶室の土壁の下地には、貫(ぬき)や竹などを格子状に組み、縄などで編んだ小舞 という技法が使われており、その密度を変化させ、強度を出したり、窓の開口を作り出している。
その土壁の一部を塗り残し、その格子状の下地を見せた窓を「下地窓」といい、千利休が始めたものである。
現在愛知県にある、元和4年(1618年)に織田有楽斎によって建造された国宝茶室如庵には、「虹窓」と呼ばれる窓がある。
時刻や天候、季節によって変わる太陽の光の状態と、反射板の代わりとなる露地の色分布によって、その障子に映し出される下地窓の影に多彩な色が現れる。
そこで、モゾワンダーシティ店では、空間に現代の「虹窓」を創り出す事を試みる。
実際には、光の反射を操るホログラム技術を使って、七色の光が角度によって様々な見え方に変化する。
また、その下地となる小舞 技法の表現として、ワイヤーを格子状に編み込んでいき、その密度の変化によって、壁となったり、窓となったりする空間を作っていく。