「古きものと新しいもの」
川越一番街の建物の多くは、川越大火後に建てられ、江戸の景観を受け継ぐ重要な歴史的遺産として、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
また、「右門 一番街店」では店頭にて蒸かしたての看板商品である「いも恋」を観光客の方に試食をしてもらい、それを片手に川越散策をするという光景が、街の景色として定着して欲しいという思いの元、様々な新しい商品を生み出し販売している。
そこで、今回は「古きものと新しいもの」の融合をテーマに設計を進めた。
この建物も重要伝統的建造物に指定されているため、構造の部分は全て既存利用し、長年使われていることによって生まれた仕上げの隙間(ひずみ)に、現代の照明を挿し込み、古きものと新しいものの融合を光をもって試みた。
また、スチール粉飾グラデーション塗装を施した什器と、一本に伸びたLED照明を使用し、店内奥への誘導サインとした。
私は「右門 一番街店」によって歴史の歩みを大切にしながらも、新たな歴史が生まれていくお店となっていくことを望む。