「畳の縁」
株式会社七葉は「抹茶」という切り口から、「新しい日本のカタチ」を世界に発信している会社である。
良質の抹茶を、抹茶ラテなど現代的にアレンジしたメニューで提供している。
そして、その店内に求められる空間は「和風」ではなく「現代の茶室」である。
それは、オーナーの言葉を借りれば”日本に昔からある茶文化を現代的な解釈で楽しめる店”をつくりたいという思いの表れである。
日本の文化の多くは、古代中国や朝鮮半島伝来のものが多いが、「畳」は大和民族の生活の知恵が生み出した誇るべき文化である。
茶室にとっても「畳」は切り離す事の出来ない存在であり、九州はそんな畳の生産量の9割を占める名産地である。
また、茶室は「畳の縁」を目印に茶法の取り決めをしており、茶道にとって、なくてはならない存在となっている。
そこで今回は、「畳の縁」に着目し、畳の目地には博多織に用いられる色や模様を用い、博多文化による、おもてなしの空間をそこに表現する事で、現在の茶室を表現した。
また、今回は2013年に施工した物件の改装のため、既存のコンセプトを残しつつ、仕上げ材を変更し過去と未来をつなぐデザインを試みた。