敷地は東京都立川市にあり、鉄骨造の4階建て、延床面積約800m2、建設業の組合のオフィスビル新築計画。建主からの要望は「地域に開かれた建築」であり、打ち合わせを重ねるにつれて、建設業に残る「きつい、汚い、危険」の3Kを払拭し、建設業が変わりつつあるように感じられた。印象的な大きな庇は木板張りとし、道路側にバルコニーを配置した。木のぬくもりや、バルコニーに人の姿にあることで、従来のオフィスビルの冷たいイメージから、人々を招き入れる優しい建物へと変えようと試みている。災害時には地域の防災拠点となり、身障者や女性にも配慮したバリアフリーとしている。事務所建築は建物そのものが会社のイメージを現す可能性をもっている。完成した姿は「土建らしくない建物」になり、新しく変わりつつある建設業を現す建築にできたのではないかと思っている。