本計画は築約50年のマンション一室の改修である。
解体して現れたモルタルや漆喰などはそのまま現しとして、歴史のある建築に住んでいる事を感じさせるようにしている。天井を解体すると現れた木毛セメント板はうっすら白く塗装し馴染ませている。タイルを解体した壁は荒々しいモルタル跡をそのまま残している。
一方で新しくしたものは真新しさを感じさせない様にしている。ステンレスのキッチン、グレーのフローリング、タイルは背景として馴染んでいる。露出する配線や配管もデザインとして見せている。
新しいものが目立つのではなく、古いものが主役となるように意図してリノベーションしている。