『木ルーバーの家』
この住宅は生産緑地が点在する住宅地の一角に建つ。L型の敷地の道路に面した部分に母屋、そして奥の住宅に囲まれた部分に中庭と離れ(ゲストスペース)がある。母屋は木製のルーバーで開口部のまわりが覆われた特徴的な外観となっている。
母屋の1階はコモンスペースとし、居間、ダイニングキッチンが分節しながら、水平方向に穏やかに繋がっている。中庭を挟んで食堂と離れの和室が対面し、ギャラリーで結ばれている。 2階は家族の個室を配し、それぞれが独立したスペースを確保している。
1.5層分の居間のある内部空間は、2階図書コーナー、屋上テラスまで床をずらしながら垂直方向に連続する。 図書コーナーは家族で使うコモンスペースで、天井の高い居間と屋上テラスにも面していて、2階の要のスペースとなっている。 屋上テラスから導かれる光は図書コーナーで拡散し、階段と格子のフィルターを通して居間まで到達する。 台所の奥には2階の子供室を貫通する吹き抜けがあり、そこに面してハイサイドライトと子供室には木製フラッシュ窓が取り付けられている。1階台所から子供室の様子が感じられる。このようにプライベートスペースが完全に独立するのではなく、コモンスペースが要所に交わるような空間構成となっている。
水平に取り付けた木製ルーバーは開口部をカバーするフィルターで、プライバシーの確保、通風の確保、採光の調整の機能を兼ねている。
外観
南側道路から見る外観
階段越しに中庭を見る。
ライブラリーから屋上テラスを見る。
オープンキッチンとダイニング
寝室からの眺め
中庭越しに離れを見る。
2階テラスから離れを見る。
トップライトのある洗面室とバスルーム
階段横の中庭を見る。
自宅(世田谷 木ルーバーの家)を新築する際に設計をお願いしました。以前はマンション住まいだったので、戸建に関して私共が知識不足で、何度も打ち合わせを重ねてご相談にのっていただきました。家具や建具を選ぶのにショールームにお付き合いいただいた事もありました。鉄筋コンクリートですが、木や珪藻土等の自然素材を使用して温かみのある落ち着いた雰囲気が大変気に入っております。14年経った今でも困った時は駆けつけて下さり、とても頼りになる存在です。