『mobydick』小田原板橋T邸
一夜城を小田原から望む南斜面の敷地は、真鶴から箱根方面を見渡せる雄大な展望が得られる。この景色を取り込み、楽しめる住宅を追求した。北側は道路、東側に高い建物があるため、南から西への眺望を最大に得られるように、床レベルは1層から3層まで、東から西へと徐々に重ねる構成とした。 そこに片流れの屋根をかぶせた2世帯住宅である。
半層分の敷地の段差をそのまま床に反映させ、半層ずれたスキップフロアーで構成している。 西側の一番低いレベルに車庫、半階上がる1階は玄関、書斎ともうひとつの世帯のメインフロアー、中2階は主寝室と水回り、2階は台所、食堂、ベランダ、中3階が居間、寝室、光庭となっている。そして各レベルからそれぞれ違った風景を眺めることができる。特に階段から台所、食堂、ベランダ、居間にかけては、外の眺望とともに、内部空間のダイナミックな変化が味わえる。
また、環境面ではベランダ、開口部、3角形の光庭で採光と通風のバランスを考え、四季を通して快適な室内環境が確保できた。 室内を抜ける風、適切に制御された日射、珪藻土の塗り壁、無垢の天井板貼りの”呼吸する家” となった。
外壁は白い塗り壁である。矩形ではない敷地の形状にアプローチや車の必要な外部スペースをとると、建物のフットプリントは自ずと変形した。うねるような外観と大きく開いたベランダのあるこの住宅は、大海に漂う白鯨の姿にも見えなくもない。
西側ファサード
玄関ポーチ
道路側外観
スキップフロアーの主室
ダイニングキッチン
ダイニングルーム
タイル壁のリビングルーム
寝室
洗面室
ダイニング