野県長野市に完成した歯科診療所です。「グロピウス邸が好きです」という院長先生から設計ご相談を2018年の秋に頂きました。
敷地はJR長野駅からつながる大通りに面した場所にあり、細長い形状ながら接道面が長く、通りを行き交うクルマからはとても良く見える場所にあります。ご要望は診察ユニット4室以上で、パーキングを最大数取る事、そして建築的に美しく機能的でモダニズム建築のような医院建築をお望みでした。外観デザインのコンセプトは、走るクルマに対して目に付きやすいようにする事。
長手道路に対してなるべく壁を伸ばした1階の外壁の上にキューブ状の白のガルバリウムの箱を乗せ、サヴォア邸のように2階が浮いているイメージを作りました。
エントランスアプローチについては敷地の勾配も生かして、モダニズム建築でおなじみのスロープ式とし、外側には三角形のRC造の塀を巡らし、建物全体に動感を付け加え、見る人の記憶に残るように考えられています。外部のカラースキームは白と黒の組み合わせに灰色のコンクリート色の他、風除室の一部にサヴォア邸から引用した緑色を加えました。緑色は土地の名称「上松」と施設名称「うえまつ」に連想される色でもあります。待合室は外から内部を垣間見られるようにしながら、前記のRC壁によりプライバシーが守られるようになっており、シャルロット・ペリアンの長椅子やブックシェルフを模したデザインの造作家具を作り付けています。
診察ユニットと廊下のパーテーションは軽やかな印象のツインポリカで仕切り、道路側の高窓からは善光寺のある高台方向の山がのぞめ、明るい診察環境を作りました。
ひときわ目を引く外観。
スロープを設けアクセスしやすいエントランス。
明るいくモダンな待合室
メンテナンスのし易さを考慮しコンクリート調タイルを採用
飾り棚を設けモダンな印象に。
落ち着いた雰囲気に変化
廊下と個室を仕切る圧迫感のない透過性の壁。
プライバシーを確保する治療室
黒い床で落ち着いた院長室
診療時間後もライトアップにより目に付く外観に。