桜本町の家
(注文住宅・新築戸建)

越前良太デザイン研究所

桜本町の家

愛知県名古屋市南区で住宅の設計依頼を受けた。当該敷地は、隣地に築造する3m程の擁壁と接しており、敷地面積は100㎡に満たない崖条例の適用地域である。

崖条例の一般的な解決策としては、隣地擁壁付近に待ち受け擁壁を築造し、隣地の擁壁が倒壊しても、建物に支障のない様にする方法が良く見受けられる。しかし今回の設計条件として、ローコストの設計を求められていた為、待ち受け擁壁を築造する予算はない。

その事から新築する建物を極力、隣地擁壁から離した場所に配置し、既存擁壁が崩れる角度の高さまで、建築の基礎と一体になった、高さ1m程の待ち受け擁壁を計画した。

お施主様のご希望・お悩み・課題

愛知県名古屋市南区で敷地を探していたご夫婦は、近隣よりも値段が安い敷地と出会い、この敷地で住宅を完成させる事ができる建築家を探されていた。ご相談を受けこの計画のアイディアをお伝えすると気に入って頂き、計画がスタートすることとなった。

ご希望・お悩み・課題への提案

外部環境の影響を、海面に波が伝わる様なイメージで建築の要素として、取り入れる事が出来ないかと考えたのが、設計の始まりである。

隣地擁壁→高基礎→ソファー・畳スペース→階段・ダイニングテーブル→トイレ・キッチン

この様に用途や空間造形が連鎖する事で、住空間が造り出されている。高基礎が室内に表れるところの高さに、腰かけるスペースを施し、その流れでその動作と繋がる場所や、スペースを連鎖させる事で、それぞれの個性のある居場所でありながら、コンパクトな纏まりを造り出す事が出来た。

周辺環境の文脈を読み取り、その要素をカタチとして表現する。環境から来る要素を造形的なモノの成り立ちで、空間を造る事が表現出来たと感じている。

リビングとダイニング

リビングとダイニング

造作テーブルを計画し、対面キッチンの様な使い方が可能な工夫を施している。

DKと畳スペース

DKと畳スペース

最大5人での食事が可能な配置になっており、狭小でありながら効率の良い平面計画となっている。

畳スペースとDK

畳スペースとDK

畳スペースからキッチ側に食事を取れる為、その状況に合わせて様々な使い方が可能な場所となっている。

造作ソファー

造作ソファー

この場所に合う造作ソファーを計画した。外部を眺め姿勢やダイニング側に向きながら座る事もでき、また横になって寝転がることも可能な大きさにしている。

玄関

玄関

隣地に3m程の崖がある敷地 耐震等級3 ローコスト住宅 崖条例を解決して設計する

外観

外観

基礎はコンクリート色にせず、外壁材の色に合わせた。

お施主さんの声

定期点検でお話を伺う機会があり、とても満足していただいているようでした。後悔している事を挙げるとすれば、計画中に建築家(越前)から提案を受けたことを一つ変えたことだそうでした。
ただ私としては一緒に考えた事が大切な経験だと思うので、良い事だと思うと話していました。

桜本町の家(注文住宅・新築戸建)の情報

作者
越前良太デザイン研究所
所在地
愛知県名古屋市南区
概要
所在地:愛知県名古屋市南区
構造規模:木造 地上2階建て
延床面積:70㎡
建築費用
本体工事:2000万円台
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