鉄の茶室
(事務所・店舗・商業施設)

藤原・室 建築設計事務所

鉄の茶室

雑貨を企画、販売する株式会社チャーリーの東京事務所、ギャラリースペースに「鉄の茶室」を配置させていただきました。

「鉄の茶室」は17メートル程のテーブルとともに、長谷川等伯の松林図屏風を印画した長い屏風状の間仕切り壁を背景に置かれています。

今回の提案として「雑貨」と「和」が、クライントから直接伝えられてはないのですが、このギャラリーをつくるテーマとなっていたのかと思っています。

株式会社チャーリーが掲げる提言として、雑貨とは「現代人が生活の中で必要としている精神的満足度を最も重要視し、ファッションや建築またはインテリアなどと連動しながら育ってきた日本独特の製品群であり、文化です」と記されています。雑貨は日本独自なる言葉であり、製品群には静謐さであったり精緻さであったり、または精神的に打ち勝つものが、雑貨には込められているということです。

雑貨の文化を考える企業にとって、ギャラリーとはどのようなものか。ということから茶室が置かれることになりました。

設計側として、「雑貨」と茶室をどのように結びつけることができるのか?という解答を出すべく検討しました。

「鉄の茶室」は黒皮鉄という、鉄を圧延するときに表面に出来る酸化被膜の表情そのままの鉄板と骨組みで構成されています。部材は強力磁石とビスを併用し、分解可能となっています。

分解可能、移動可能ということである種、「鉄の茶室」に雑貨性を持たせています。

その「鉄の茶室」を17メートル程の長いテーブルに貫かれているかのように配置し、長いテーブルに並べる雑貨類とともに「鉄の茶室」も雑貨的に並んでいる風景をイメージしました。

「鉄の茶室」に入りこみ眺める風景は、雑貨が並ぶ風景に入り込んで、自分自身も雑貨になったかのように感じてもらえたらと思っています。

鉄の茶室(事務所・店舗・商業施設)の情報

作者
藤原・室 建築設計事務所
所在地
東京都
概要
竣工年 :2012
用途  :茶室
敷地面積:N/A
建築面積:N/A
延床面積:6.3㎡ (1.9坪)
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