光をつかむ家(Light Fall House)
(注文住宅・新築戸建)

株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所

光をつかむ家(Light Fall House)

敷地は、東京近くの住宅密集地。南側道路だが向いには3階建ての家が並んでいて、1階は殆ど日影になっています。敷地面積は63㎡と小さく、建築面積ギリギリの2階建てとする事から計画はスタートしました。

建て替え前の2階の明るさを話してくれた施主に、1階も明るい家をお渡ししたいなと考え、吹き抜けから光を取り込み、1階まで明るい家とする事を考えました。2階からしか入らない直射日光を、「つかまえ」吹抜けから、滝の様に光が流れ落ち、家の色々なところに光が届く設計をしました.


施主からは、あそこが良いね!ここが良いね!と色々な処を気に入って貰っています。特に、壁の下見板張りや、垂木と構造用合板の天井など、木を効果的に使っている住まいであること、明るい空間であることで暮らす事を楽しみにして戴きました。完成後、周囲にお住まいの方からも、外観をみて素敵な家だねとほめていただいています。

朝の光は美しいです。綺麗で。その美しい光を、吹き抜け越しに取り込んだ景色。この光景を見た時、思わず「お~」と声を上げてしまいました。自分で設計したはずなのに。

外観・ルーバーとグレーの薄墨左官「光をつかむ家(light fall house)」

外観・ルーバーとグレーの薄墨左官「光をつかむ家(light fall house)」

暴風雨の時の不安の話を施主からされ、雨風に限らず、安心して暮らせる住まいを望んでいるんだと考えました。箱型の四角い形には、ガシっとした独特の力強さがあり、構造的にも心理的にも安定感のある建築になっています。生活をまもるしっかりした住まいの形にしようと、箱型にこだわって設計をしました。

吹き抜けから、光がそそぐリビング「光をつかむ家(light fall house)

吹き抜けから、光がそそぐリビング「光をつかむ家(light fall house)

光をつかまえる吹抜け部分は、家の中の半屋外的な場所だと考え、壁には外壁で使う下見板張りという、木の板張りをし、屋外的な雰囲気を創り出しています。

割れない障子が、リビングとダイニングキッチンをつないでいる「光をつかむ家(light fall house)

割れない障子が、リビングとダイニングキッチンをつないでいる「光をつかむ家(light fall house)

障子は破れない障子で、アクリルに和紙を貼っています。柔らかい光が通ります。

2階の個室(ベットルーム)「光をつかむ家(light fall house)

2階の個室(ベットルーム)「光をつかむ家(light fall house)

構造的に強く、力感を感じる天井の垂木が印象的なベットルームです。 勾配天井で、天井表しとし、最高3mの高い天井高さだゆったりした、個室をつくっています。

外観・ルーバーとグレーの薄墨左官「光をつかむ家(light fall house)

外観・ルーバーとグレーの薄墨左官「光をつかむ家(light fall house)

暴風雨の時の不安解消の為、窓には、木の格子であるルーバーをつけモノが飛んできてもガラスが割れない様にしました。このルーバー格子は、場所によって隙間間隔が異なります。2階窓は、夏は昼間光が入り過ぎない、冬は光がしっかり入る間隔にしており、1階は間隔を大きくして少しでも光が入る様にしています。塀のルーバーはプライバシーを重視して覗かれない様、間隔を狭めています。

玄関外観・ルーバーとグレーの薄墨左官「光をつかむ家(light fall house)」

玄関外観・ルーバーとグレーの薄墨左官「光をつかむ家(light fall house)」

外壁は、墨を入れた左官仕上。グレーの左官基材に、墨を入れてコテ塗りしています。斑が入った感じのニュアンスがでた仕上で、左官職人さんの腕が極上でした。めちゃくちゃ上手いです。

出窓がゆったりした場を生む、リビング「光をつかむ家(light fall house)」

出窓がゆったりした場を生む、リビング「光をつかむ家(light fall house)」

植物を育てるのが好きという施主。建て替え前もベランダで鉢植えをしたり、室内に観葉植物を飾ったりしていました。そこで、大きめのルーフバルコニーをつくり、植木鉢で植物を育てる場所をつくりました。また、建て替え前のお住まいに伺ったところ、観葉植物と一緒に、小物なども上手に飾らせていました。そこで、小物を飾られる飾り棚や、出窓をつくっています。この出窓は、建築面積に入らない為、部屋をゆったりさせてくれます。2.7m巾の出窓は通常より広く小さな部屋の様な余白になっています。床からの高さを70cmとする事で、ちょっとしたベンチにも、飾り棚にもなります。 実は、出窓は施主からのご要望でしたが、気持ちの良い出窓にしようと一生懸命考えて寸法や形を決めてたら、部屋にゆとりが生まれる凄くいい感じの出窓になりました。

ダイニングキッチン~グレーのタイルとワインレッドのキッチン~「光をつかむ家(light fall house)

ダイニングキッチン~グレーのタイルとワインレッドのキッチン~「光をつかむ家(light fall house)

親類縁者が多く、沢山の家族が集まる事がある為、ダイニングスペースを大きくとり、大きなダイニングテーブルで、皆で食事が出来るダイニングキッチンとしました。

リビング階段のあるダイニングキッチン「光をつかむ家(light fall house)

リビング階段のあるダイニングキッチン「光をつかむ家(light fall house)

リビング階段ならぬ、ダイニング階段のある、ダイニングキッチンです。造作家具と既製品のキッチンを組みあわせて、使い勝手と質感の両方がバランスの良い、キッチン空間になっています。

オーク材の造作家具を設えた、ダイニングキッチン「光をつかむ家(light fall house)

オーク材の造作家具を設えた、ダイニングキッチン「光をつかむ家(light fall house)

家具はオーク材で製作しています。フローリングは無垢のブラックウォールナット。オーブンレンジを置く場所など、熱が上がりやすい場所には、不燃材を貼って家具が傷まない様にしています。キッチンでの使い方をヒアリングして使いやすい家具を設計しています。

お施主さんの声

施主からは、あそこが良いね!ここが良いね!と色々な処を気に入って貰っています。特に、壁の下見板張りや、垂木と構造用合板の天井など、木を効果的に使っている住まいであること、明るい空間であることで暮らす事を楽しみにして戴きました。完成後、周囲にお住まいの方からも、外観をみて素敵な家だねとほめていただいています。

光をつかむ家(Light Fall House)(注文住宅・新築戸建)の情報

作者
株式会社小木野貴光アトリエ一級建築士事務所
所在地
埼玉県川口市
概要
構造:木造 2階建て

用途:住宅

敷地面積:63.01㎡

延床面積:65.71㎡
建築家紹介はこちら