この住宅は夫婦のために設計された市街地の狭小地に建つ木造住宅です。敷地周辺は、小住宅や、町工場や、小さな事務所ビルが調和なく共存している地域です。
敷地の南側は3階建ての工場があり、北側は前面道路があり開けていますが、建主は南側に庭を要望し、必要な部屋を確保するため、3階建てにすることにしました。
木と塗装の壁による静かで柔らかな空間を目指しました。明るい室内、開放性のある空間を確保したうえで、密度のある空間とめりはりをつけました。
風圧を受けている吹抜けの梁とキッチンのカウンターを同じ材で制作し、要素を統一して梁やカウンターの持つ「意味」を曖昧にしました。
時間の経過とともに光や陰影の移り変わりが感じられる「余白」を目指しました。また建主のエコロジーへの配慮から、屋根にはソーラー発電パネルを設置しています。