クライアントはご実家を2世帯住宅にリノベーションする計画を希望され、私たち事務所に来られました。
しかし、計画する途中でリノベーションする話から、別な敷地を探して単世帯の住宅を建てることに変わりました。
そして、クライアントと一緒に土地探しが始まりました。
土地を探すエリアも定まっていませんでしたが、ご主人の職場の近くで探していくこととなり、静かな住宅街にある三角形状の敷地が候補に挙がりました。
その敷地は道幅が2メートル程度で、軽自動車が通れるかどうかというところでした。
しかし、街の雰囲気や、この敷地のロケーションも気に入られ、まずは工事ができる敷地なのかを知り合いの工務店に聞くことから検討が始まりました。
工事手間はかかるが問題ないということで、計画が始まりました。
敷地は、道路による高さ制限、北側からの高さ制限、また軒高等々制限の厳しい地域です。
まずは、諸処制限から導かれる外形から、デザイン的、用途的にどういう可能性や有効性があるのかを検討してゆきました。
そこで、外観を小さいブロックが積み重なったようにまとめて、大きな壁を造らないことで圧迫感を抑え、歩きながら見える様子が変わってゆく面白さを考えました。
また、道路から窓が見えにくいようにプライバシーのことも考えながら、外観デザインとして白いブロックのみが見えるように検討を行いました。
内部の構成は、2階建てで、1階に土間、寝室、子供部屋、浴室水回り等があり、2階はLDKです。
1階は広い玄関土間に面するように寝室や子供部屋を配置しています。子供部屋は天井を高くとり、ロフトを設け、また2階のLDKと視線がつながるように、2階の床の一部をルーバー状にしました。
2階は道路に面する周りに高さ制限により出来上がる形状の部分をバルコニーとして有効活用し、内部からバルコニーが視覚的につながるようにしました。
内部空間も、外部のブロックの様子が感じられる形状を反映させ、外部と内部のデザイン的なつながりを作っています。