老後の住まいは、ゆとりのある広さが必要です。
同時に、生活の基本となるADL(食事、排泄、移動、入浴等)の動線は長過ぎず、シンプルに計画しておくことが大切になります。
居間食堂→寝室→水廻り→台所は、ぐるりと一周できる回遊動線。
寒い季節でも冷えた廊下や玄関廻りを通過することなく生活ができます。
また、今も農作業を趣味としているご家族の為に、以前のお住まいにあった広い土間は継承し、玄関を通り土間としました。
住まいの表と裏を結ぶ通過交通で、一部にそのまま台所へと通じる土間の納戸も設け、大変便利に使っていただいています。
外観は以前お住まいだった養蚕農家のイメージを残したいと思い、大きな屋根が印象的な日本従来の農家のシルエットを意識しました。
アプローチはバリアフリーの為、片側に手すりを設けたスロープに。開いた玄関ドアの奥には、同じデザインの勝手口ドアが見える。
複数の人数で保存品の仕込み等を行うことの多いご家族の為、カウンタートップの広いオープンなキッチンを採用。
既に独立している息子家族や孫の長期滞在の場所として使う為、ミニキッチンを設置。 屋根が下がって天井が低くなる周囲の空間は、お蔵代わりの充分な納戸として利用。
洗面所・便所一室型とし、介護が必要になる可能性にも備えた水廻り。 寒暖差のある廊下に出ることなく、クロゼットを介し寝室につながる。 浴室・洗面所共に防犯性、プライバシー性の高いハイサイドライトで明るく。