古家付土地を購入されたご家族は、当初は解体し建替えの予定だったと言います。
しかし、現地を視察に行き建物を見たことで、その気持ちは一変しました。
長い時間が経過しても廃れることのない住まいの持つ本質。
例えば、スキップフロアでつながる居間と食堂、整理された合理的な動線等。
米松下見貼の壁、建具、すり減った段板・・・時間仕上げでしか表現できない質感。
それらをなんとか活かせないかとご相談をいただきました。
とは言え、耐震性、断熱性、前住人とのライフスタイルの違い等、手を入れなければならないことも多々ありましたが、
耐震診断専門の事務所のサポートを頂戴し、助成金を利用した全面改修が実現しました。
場所を斜めにつなぐことで視線が対角線にのび、奥行きを感じる空間となっている。 右側の壁は、ラワンのドイツ下見張りで、既存の壁をそのまま活かしている。
子供は段差が大好き。右の掃出し窓の外はレンガ敷のテラスに。
奥の扉は洗面所へ。お茶室だった場所は、「リーディングヌック」と名付けた本のあるこもり部屋に。
コーナーはベンチに設えた。
現在のリーディングヌックは、お子さんのおもちゃ箱。
階段をあがった部屋は、壁を抜いて、廊下につながる趣味コーナーに。床はアカシア無垢にオイル塗装。
ラワンで造作したキッチン。床は食堂と同じ焼きむらが美しいタイル貼。犬のごはんもここで。