Wさんの住まいは塩山市の民家に使われていたクリの大黒柱を再利用した住まいです。日当たりを考えて、2階にリビングを計画しています。リビングの天井は屋根なりの勾配天井にして、広がりのあるのびのびした空間になっています。クリの大黒柱をキッチンとの間に設置してリビングのアクセントにしています。リビング上のロフトへは箱階段で上がります。玄関前のアプローチには子供たちも参加して小石やビー玉を埋め込んで家づくりの記念にしています。
早いもので完成してからもう15年が経過しました。ずっと快適に暮らしています。設計中に、古材を探しに栗原さんと一緒に塩山市の古材ギャラリーに行ったことなど、いまは楽しい思い出になっています。入居してからは、渡辺篤史さんの「建もの探訪」で放送されたりしたことも思いがけない嬉しい思い出のひとつです。15年経過して、無垢の木の色などがきれいな飴色に変化してきています。設計のときに栗原さんは「自然素材は時間の経過とともにいい色に変化しますよ」と経年美化のことを話していましたが、15年経ってその通りの結果になっています。木の住まい、これからも大切に長く住み続けたいと思います。