100坪ほどの住宅を3世帯が住む住宅に改築した。3世帯の構成は夫婦子供1人とそれぞれの両親である。間取りはそれぞれの世帯が完全に分離されたものではないが、それぞれに特徴のある居間を用意した。居間Aはオープンキッチンで庭に面した水平に広がる白い空間。居間Bは木を使った落ち着きのある内部に包まれた雰囲気の空間。居間Cは屋上テラスに面した開放的な石貼りの空間。
構造は鉄筋コンクリート造ラーメン構造で屋根はスラブの上に鉄骨フレームを組んだ置屋根であった。改築に際し、屋根を2箇所くりぬき、そこを屋上テラスとした。2階の居間Cは1段上がった屋上テラスに面することになり、やや高いところから広がる眺望も獲得した。屋根裏はジャグジーをセットした楕円の屋上テラスを取り囲むようにロフトが広がる。そこは周囲の環境と隔絶された天空の世界を確保する。
また施主は現代美術のコレクションを持つ。宮島達男のデジタルカウンターの鏡の作品は居間Cの鏡面の黒い壁にはめ込んだ。森万里子のアクリル作品は白いロフトの床に照明とともにセットした。宮脇愛子のガラスが積層する作品は門扉となっている。そのほか杉本博司、アンディー・ウォーホール、荒木経惟など作品が室内に点在する。
居間C
居間B
ロフトベッドのある子供部屋
宮島達夫
森万里子
杉本博司