クライアントは20代後半の夫婦2人。土地探しを始めて約9ヶ月の長い道のりを経てからのプラン開始になった。打合せは深夜まで及ぶこともあり、じっくりと練り上げていった。
外観は黒と白のモノトーンでまとめ、白い箱に小さな黒い箱が組み込まれているような形となっている。また、上部・左右の壁を斜め切りにし、大開口をとる事で奥行きを出し建物を大きく 見せる工夫をした。
内部は濃色の無垢フローリングと真っ白な壁で全体をモダンで落ち着いた雰囲気にまとめている。1階、2階共に南側からの明るく暖かな光を取込むことで延床面積24坪とは思えない広がりを感じられる。その開放的なLDKに据付けられたキッチンの上には何十年も前からこの地に建っていた住宅の照明が煌びやかな光を控えめに放っており、これからは新しい家族をやわらかく包んでくれる。まだ若い御夫婦2人きりの生活の為、子供部屋となるであろう2階については南側への勾配天井で広がりを感じられ、主寝室以外には間仕切を設けず開放的に使える様にしてある。将来的には部屋として仕切れる様に下地補強等もしているので、ライフスタイルに合わせて変化していく家になるだろう。
引渡間近、植栽と目隠しフェンスの塗装を設計スタッフと一緒にクライアント自ら行い、本当の意味での手作り感のある温かい家となった。