周囲を住宅で囲まれたやや広い敷地において、当初は中庭型プランが求められた。中庭をつくり外に閉じると街と隔絶するだけでなく、季節によっては使われない中庭が住まいの中心を虚ろなものにするのではないかと思い悩んだ。
そこで前庭・外庭・内庭・裏庭といったストライプ状の外部的空間を内部と織り交ぜた。
前庭は変化を持たせた植栽により単なる駐車場ではなく、街にゆとりを与える。
外庭はアプローチ通路となるだけではなく、光や風を通しつつプライバシーを確保する緩衝領域となる。
内庭は屋内であるが、天窓と格子床により外部的快適さを生み出す。
そして裏庭をつくることで、敷地境界線ギリギリに建てるのではなく余裕を持たせることができ、これから長年お付き合いすることになる隣家に対して良好な環境を担保する。隣家に見守られながら小さなお子さんは安全に遊ぶことができる。