計画地は東京都内で人気の駅前から徒歩10分ほどの住宅地の中です。土地は東西に長い長方形で、東向きに4m幅の道路があり、通行量は少なめの落ち着いた場所でした。施主ご夫婦のご希望はミニマルな切妻デザインの家を作る事。石川淳建築設計事務所の提案するシンプルな住宅にご興味を頂いてご依頼を頂きました。
室内の構成は、1階に吹抜のあるリビングを置き、そこに階段を配置して2階に寝室を作るという明確なイメージをお持ちで、リビング前には大きな開口を設けて道路との間を庭にして、開放的な家にしてほしいとの事。外から内部が見えるのは道路からの距離が解決してくれるとのお考えでした。そして、タイトルにもある「レコード」の収納ができる壁面収納をつくる夢をお持ちでした。ご希望と高さ制限とデザイン的直感から切妻屋根の勾配を決め、庭に大きな開口を持つファサードを作り、玄関前にはポーチを設ける事でリビングに守られ感を少し作る事にしました。リビングの壁面はご希望の「レコード棚」を全面に設け、その裏側にその他の生活用品を収納出来る納戸を設けています。仕上げは白を基調にしながら、昔の小学校のようなパーケットフローリングを用いたり、茶色の着色で棚や玄関ドアを仕上げて、「昭和」を感じさせるテイストに仕上げました。
庭に開いた1階リビングの希望。
リビング階段のある前川國男邸のようなリビングのイメージにしたい。
前面道路に開いたリビングになることから、開口前にポーチを設けて、プライバシーに配慮しつつ大開口を実現した。
庭を取り込む玄関ポーチ
アウトドア要素のある玄関ポーチ。床はモルタル仕上げ。
大きな開口から部屋内を眺める。
天窓から光が注ぐリビングダイニング。
高低差をつけた天井。低い天井を抜けると吹き抜けへ。
1階とつながる寝室。
2階から1階リビングを見下ろす。
趣味のレコードが収められたリビングルーム。
梁現しの勾配天井。
外観夜景。
江戸東京たてもの園にある前川國男邸のようなリビングがあこがれでした。
前川邸の要素を取り込んで完成し、とても満足しています。
