以前に開発され、周辺に住宅が建ち並ぶ住宅地での住宅建築です。
ある程度カーテンを開放して、窓から屋外の景色を楽しみたい、という施主の要望から計画がスタートしました。
将来的に施主の親御さんも一緒に暮らせるように住宅自体を回遊動線として計画し、車椅子の場合でも回転しやすい間取りを検討しました。
回遊動線の中心部分となっているのは、脱衣と浴室のスペースで、キッチン側から家事の一連の流れに組み込めるように配慮し、脱衣室の反対側のドアはトイレ側の廊下に通じており、実用的な使い勝手にも役立っています。
この家には、メインの階段とサブの階段が存在し、ダイニングの傍に小さな書斎スペースから寝室に登ることができる互い違いの階段が存在しています。
北側のメイン階段と合わせて利用することで、立体的な回遊動線になっています。
南北の庭部分は駐車場以外を中庭状の形態とし、室内からルーバーが延長するように感じるかたちにしました。
二つの庭は、主に眺める、遊ぶ目的の南庭と、洗濯物などを屋外に干す北庭となっています。
北庭に干していた洗濯物はそのまま室内に取込んで室内干しに移行でき、上部に吹き抜けを配置することで、重力換気による物干しの効果も期待できる仕組みとしました。
周辺が宅地に囲われた住宅地において、南北の窓を開け放しながらある程度開放的に過ごせる住まいを目指した住宅です。