敷地は滋賀県米原市、伊吹山の麓の緑豊かな集落のなかにあり、夏は山から吹き下ろす風が心地よい場所ですが、一方で冬は寒さの厳しい豪雪地域でもあります。敷地は畑だった生家の北側隣地を宅地に転用し、子世帯のための家を建てることになりました。そして、クライアントからは夏には豊かな自然環境を目一杯に享受できる風通しの良い開放的な暮らしと、冬の厳しい寒さから守られた住環境の両立が求められました。
そこで、夏は伊吹山から吹き下ろす風を利用し外気を効率的に取り入れることができるよう、風上にあたる北側は開口部を小さくとり風下の南側は大きく開くよう計画しました。これにより冬の寒さ溜まりとなりやすい北側に対して開口面積を減らすことにもなり、そして南側の大開口からたっぷりと暖かな陽射しを取り込むことができます。
建物配置は東西を軸として敷地の北側に寄せつつ、LDKが中央に位置したL型の建物を南側隣地に建つ母屋とともに中庭を囲むように配置しています。玄関を入ると正面の地窓から中庭とリビングの足元が垣間見え、天井高さを低く抑えた廊下を抜けると吹抜け空間のLDKへと連なります。南側に開いた大開口の吹抜が中庭とリビング、そして2階のファミリールームや子供室へと連続して繋いでいます。この吹抜のリビングを中心に家族がどこにいても互いに気配を感じることができるよう計画しました。積極的に外部空間を取り入れ、豊かな自然環境とともに四季の移ろいを感じながら暮らすことができる、そんな住まいを目指しました。