ロードバイクや美味しいものが好きなUさん。ロードバイクで出かけて美味しいスイーツやパンを買って帰って、コーヒーを淹れたり、何十年と愛用しているスキレットで料理を楽しんだりと、仕事の定年を機に好きなことをしながら一日でも長く暮らせる暮らしやすい家を建てたいと望まれました。また、敷地が多角形の変形地のため一般的な四角の家では敷地を有効利用できないこと、過去に大雨で水害にあったことが新しい家を建てる際の課題になっていました。そこで、多角形の境界線に沿った形状の家を設計することで敷地に無駄が出ず、ゆったりとした平屋を建てた残りの部分に縁側のある庭やスロープのアプローチ、大型車とバイクが停められる駐車場をつくるゆとりが生まれました。さらに、可能であれば貸し駐車場をつくりたいというご要望にも、3台分の貸し駐車場スペースを確保して敷地を有効利用しています。水害には地盤の高さを上げて備えました。玄関ポーチの高さが通常よりも高くなって階段の段数が増えるため、アプローチをスロープにして上がりやすくしています。多角形の家は壁が斜めになる部分があることで+アルファのゆとりのスペースが生まれ、いろんな使い方ができ変化があって魅力的です。そこに、暮らしの道具や趣味のものが馴染んで、暮らしの楽しさのある心地よい家になりました。
初めて計画案を見た時、「変形地を考慮して、こんな発想があるのか。回遊性があって動きやすそう。面白い!」と感心されたというUさんに、実際に暮してみて感じたことをお聞きしました。
「回遊性のある間取りは生活動線が便利で、家事動線も良くてすごく楽です。暮らしてみて掃除、洗濯、料理の効率の良さを実感しています。特に気に入っているところは、風通しの良さ、光の採り方、造園師のセンスを感じる庭の緑。設計の段階で窓の位置についていろいろ説明を受けましたが、実際季節によって、こことここの窓を開けると風が抜けるなど調整がしやすく風通しよく過ごせて快適です。天窓や高窓から入る光が明るく、庭には鳥が遊びに来ます。今までは庭に興味がなかったけど、つくってみたら暮らしが楽しくなりました。この家は暮らしを考えてくれているのがわかる家。ここでの暮らしが楽しいです。」
変形地を活かして設計した外観
過去に洪水で浸水した経験から、地盤面を高く設計しているため通常よりも玄関ポーチに高さがあります。そこで、趣味のロードバイクを玄関土間まで運びやすいようにアプローチをスロープに。高齢になった時も楽に歩けます。スロープに囲まれた植栽スペースをつくったことで、木々の変化を感じながら時には実をつまんだりして玄関まで歩く楽しさのあるアプローチになりました。
ロードバイクを置ける土間
ハイサイドライトで採光
料理を楽しむダイニングキッチン
緑と光を取り込むハイサドライト
ダイニングキッチンと庭をつなぐ縁側
家庭菜園で採れた野菜をキッチンで料理して食べる楽しみのある庭
実家の建て替えを検討している時に、知人に「建てる前に読むといいよ」と家づくりの本を紹介されました。その本で設計事務所の家づくりを知り、自分のやりたいことを実現できることがわかり、設計事務所の話を聞いてみたいと思いました。そこで、設計事務所紹介サイトで紹介されたゆらり建築事務所で家づくりの説明を受けて人柄を見て決めました。設計事務所を選ぶ際、大切にしていたことは建築関係の用語を分かり易く説明して、伝えてくれることです。実際に家が完成した時は、周囲と違和感はないが雰囲気のある家の形と、木の持つ落ち着いた空気感がある室内に感激しました。これからどういうものを買おうかと楽しみもできました。外に出かけるのが好きなタイプでしたが、今は家のメンテナンスをして過ごす家時間もいいものだなぁと思います。賃貸暮らしに比べて、家とその周辺の維持管理の大変さはありますが、これからもゆるりゆらりとこの家の良さを感じ取って暮らしていきたいと思います。(Uさん)