家のまんなかに設けた明るい吹抜空間が特徴の小さな住宅です。
隣地建物がせまっている為、南面と東面からの採光が難しい敷地の短所を補うよう、建物のまんなかに設けた吹抜を軸に大きなワンルームのような簡潔で自由な空間を目指しました。
1辺7.2mの正方形プランの中心に、採光と排熱、通風に有効な大きな天窓1台を備えた吹抜空間を据え、この明るい「まんなか」を起点に周囲の諸空間の設計を進めて行きました。
雨空の日でも屋内はとても明るく、はじめてこの家を訪れる人々は、外観のイメージからは想像しづらいその明るさに皆さん驚かれます。晴れの日は屋内に居ながらに青空を眺めることができ、さらに綺麗です。風通しも良く、爽やかでシンプルな空間となりました。
・直射日光が苦手なので西面や南面からの採光を抑えてほしい。
・高齢者だが、高齢者住宅らしからぬ元気な家にしてほしい。
・植物が好きなので、緑が似合う家にしてほしい。
直射日光が苦手という住人の意向を考慮し、家の中心に設けた吹抜はできるだけトップライトからの天空光やルーフバルコニーからの間接光で明るくするよう工夫を施しました。
低温水式床暖房を1階の全域に設置し、高齢者の身体に優しい温度環境を実現しつつも、高齢者住宅でNGとなりがちな階段や適度な段差は敢えて設け、「日々の運動により老化を防止したい」という住人の意向を盛り込みました。
緑化フェンスを施した前庭、前庭に面した土間状の縁側、2階レベルに設けたルーフバルコニーなど、適所に緑を配置できるスペースを提案しました。