設計:一級建築士事務所こより
用途:茶室/茶藝室
敷地:京都府京都市
和紙・左官染色:ハタノワタル
左官:奥野左官
照明計画:ModuleX
施工:光和工務店(田中和重)
協働:アトリエソルト
撮影:臼井淳一
京都の五条大橋近く、鴨川に面した大凡築25年程度の住宅を
茶藝館にコンバージョンする計画である。
施主のイメージする世界観を表現するために、
1Fは開口調整により自然光の取り入れを最小限とし、
静かに茶と向き合う為の内向的な空間へ。
2Fは東に流れる鴨川・東山に対して大きく開けた
真逆の空間使いにすることで建物自体のコンパクトさを魅力的に利用した。
また それぞれの部屋は独立性を保ちながらも世界観が途切れないよう、
素朴な自然素材を基本とした和紙や左官仕上げを共通して使用。
空間のディテールや、階段によって垂直方向に伝わる
空気や光、気配を緩やかにつなぐことで建物として統一感のあるものとした。
この場所を訪れる人々の体験が、唯一無二の「茶の時」として
いつまでも心に残り続けることができれば嬉しく思う。