「災害に負けない終の住処にしたい」、それがクライアントの切実な要望でした。
敷地は幹線道路から一本内側に入った都市型の住宅街です。この周辺は数年前の大型台風で浸水被害を受け、クライアントの自宅1階にあった工場も被災し閉鎖を余儀なくされていました。
住み慣れた土地で災害に強い家を建てて余生を過ごしたい、というクライアントの強い意志を感じながら幾度か対話を重ねるうちに思い描いたイメージは天変地異が起きても何事もなく佇む厳かなモノリスのような住宅像でした。
構造は水害、地震、風雨、幹線道路からの騒音や振動などのリスクを最も軽減できる鉄筋コンクリート造を採用することになりました。
全体はシンプルな3層構成で、1階はガレージとエントランスのみとし、再び地域が浸水に見舞われたとしても被害が最小限に抑えられるようにしています。2階、3階にはクライアント2人のそれぞれの寝室を配置し、2階はLDKを中心とした空間、3階は和室を中心とした空間が広がっています。
1階玄関/右手はシューズクローク、左手は階段
1階から2階に至る階段
2階LDK
3階廊下
3階和室
3階ダイニングキッチン・和室